2021-10-06

【スマホだけで本人確認】ショーケースが狙う新たなプラットフォーム

永田 豊志・ショーケース社長

国内トップのオンライン手続きプラットフォームとして、エンドユーザーと企業や行政をつなぐ存在に

ショーケース社長
永田 豊志

Nagata Toyoshi
1966年生まれ。88年九州大学経済学部卒業後、リクルート入社。退社後、複数のスタートアップ経営に参画し、2003年、ショーケース・ティービー(現・ショーケース)を共同設立、取締役COO就任。15年に東証上場。17年に小会社ShowcaseCapitalの社長に就任。19年ショーケースの社長に就任。


全社員の約40%が退社

「社長が代わるということは会社が変わるというメッセージ。前社長が判断してきたことも自分なりに変え、逆に前例のないこともやっています」

 創業者の1人だが、2019年、社長に就任した永田氏。

 同社は、05年動画配信時代を見据え、映像を使った企業プロモーションを手掛ける企業として創業。だが、当時は動画制作コストが高く、顧客から「動画プロモーションもいいが、申込フォームからこぼれ落ちるお客様が多くて困っている」という声があり、入力フォーム最適化ツール『フォームアシスト』を開発。オンラインマーケティング企業として成長し、16年東証1部上場企業になった。

 その後、M&Aで規模拡大を図ったが、シナジーを出せず、19年「第二の創業」を掲げ、永田氏が社長に就任。「本業で成長する」方針を明確にし、再スタートを切った。

「人事・評価制度を一新し、M&Aした会社を連結から外し、8つのサービスを止め、新しい事業を立ち上げた」(永田氏)

 新たな戦略を掲げ、会社の成長に貢献した人が評価される制度に変え、それらに賛同できない社員(全社員の約40%)は会社を去った。

「取締役も辞めたので、あらゆることを自分でやり、どこに問題があり、何をすべきかを明らかにしていった。そして、戦略を明確にし、末端まで戦略が行き渡るようにした」

 また、オープンイノベーションの部署を立ち上げ「5年後にデファクトになるサービスの開発」を開始。その中の1つが、現在急成長しているスマホを使った顔認証の本人確認サービス。

 法改正によって、主要顧客の金融機関にスマホを使った本人確認ニーズが生まれたこともあり、オンライン銀行を中心に導入が進んでいる。

 さらにコロナ禍に入り、あらゆる業種で〝非対面の手続き〟が求められる中、「企業とユーザをつなぐ〝デジタルトランスフォーメーションを推進する統合型プラットフォーム〟としてサービスを提供していきたい」と意欲を見せる。

内製化にこだわるトヨタ

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