2022-02-12

【総務省】大規模通信障害でNTTドコモに行政指導

総務省は、昨年10月に大規模な通信障害を起こした携帯大手NTTドコモに対し行政指導を行った。電気通信事業法上の「重大な事故」に当たると認定し、厳重注意処分とした。これを受け、ドコモは再発防止策を策定。重大事故の原因となったソフトウェアの不具合の対策、障害発生時の影響を最小限とする措置、設備の切り替え工事の事前評価、利用者への適切な周知、他の携帯電話事業者との情報共有などに着手した。

 金子恭之総務相はドコモの再発防止策について「行政指導を踏まえ、再発防止に向けた措置が適切に講じられている」と評価。再発防止策の進捗状況を注視しつつ、今回の事故から得られた教訓を取りまとめ、業界全体に周知を行っていく方針を示した。金子総務相が各社に緊急点検を求めた結果、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルも同様の対策を取りまとめた。

 ドコモの大規模障害は、タクシーの決済端末などに関連するサーバーの切り替え工事の事故が原因となり、昨年10月14日の夕方に発生。2時間20分にわたり携帯電話の位置情報を登録できず、通信が全くできなくなるといった影響が出た。完全復旧は翌15日午後10時で、29時間6分を要した。

 約100万人の回線が影響を受け、障害の前後でも通信がしにくい状況が発生。通話で約460万人、データ通信で830万人以上に支障が出た。影響は延べ人数で実に1290万人を超え、井伊基之社長ら8人が役員報酬を自主返上した。

 携帯大手の大規模障害としてはソフトバンクが18年12月、約3060万人に影響を及ぼす過去最大規模の障害を起こしており、それ以来の深刻な事態となった。

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