財界賞

令和3年度 『財界賞』『経営者賞』決定

 総合ビジネス誌『財界』は、恒例の『財界賞(第66回)』『経営者賞(第64回)』の選考委員会を2021年11月4日(木)午前11時30分から、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急で開催。令和3年度の『財界賞』『経営者賞』受賞者は、次のように決まりました。

『財界賞』

金川 千尋(かながわ・ちひろ)信越化学工業会長

『財界賞特別賞』

相澤 孝夫(あいざわ・たかお)相澤病院最高経営責任者

『経営者賞』

長尾 裕(ながお・ゆたか)ヤマトホールディングス社長
島村 琢哉(しまむら・たくや)AGC会長
西川 徹(にしかわ・とおる)プリファード・ネットワークス最高経営責任者
山本 明弘(やまもと・あきひろ)広島市信用組合理事長
垣内 俊哉(かきうち・としや)ミライロ社長

「財界賞」は、グローバルに社会に貢献し、広く日本経済を牽引した経済人を対象に、また「経営者賞」は、令和3年に顕著な業績を残した経営者、人材教育等で特筆すべき取り組みをした経営者を対象としております。「授賞理由」は次のとおりです。

  • 『財界賞』 金川 千尋 氏(信越化学工業会長)

     塩化ビニル樹脂、半導体シリコン、シリコーンの3本柱で世界を代表する高収益企業を育て上げた。汎用品の塩ビは各社が撤退する中、「塩ビは優れた素材で確実に需要が増える」と一大投資を敢行。米国工場で原料の塩素やエチレンを現地調達するなど最適なサプライチェーンを構築、世界屈指の競争力を持つ事業に育成した。財務にも詳しく、「常在戦場」の心構えで経営をカジ取りし、後継者も育成、サステナブルな経営体制を構築したことが高く評価された。

  • 『財界賞特別賞』 相澤 孝夫 氏(相澤病院最高経営責任者)

     コロナ禍による感染者数拡大を受けて全国各地で医療体制が逼迫する中、長野県松本地域において公立病院と民間病院との連携を実施して臨機応変な対応を実現。約30年前から医師・看護師・職員などの医療関係者との連携や行政との対話を進め、救急医療や災害医療といった有事の際の医療体制を整えてきた。この「松本モデル」の中核病院でもある相澤病院の最高経営責任者として地域医療に貢献したことが高く評価された。

  • 『経営者賞』 長尾 裕 氏(ヤマトホールディングス社長)

     コロナ禍で巣ごもり需要が旺盛になり、取扱個数が年間20億個超と激増した宅配便。ネット通販に対応して「置き配」のアイデアも創出するなど、働き方やライフスタイルが大きく変化する中でも物流面から人々の生活を支えた。1976年に中興の祖・小倉昌男氏の築いた「宅急便」。日本発のビジネスとして社会インフラになった今も進化し続けている。宅急便のデジタルトランスフォーメーションを推進している点も高く評価された。

  • 『経営者賞』 島村 琢哉 氏(AGC会長)

     事業構造の改革を断行。建築、自動車向けなど祖業のガラス事業の収益を確保しながら、液晶用ガラス基板や半導体関連などの電子事業、塩化ビニルやバイオ医薬品などの化学事業を新規事業として育成。「両利きの経営」を実践し、歴史ある伝統企業の改革を成功させた。また社名を旭硝子からAGCに刷新し、サステナブル経営、デジタルトランスフォーメーションを推進。時代の変化に対応し、強い組織をつくる経営が高く評価された。

  • 『経営者賞』 西川 徹 氏(プリファード・ネットワークス最高経営責任者)

     日本を代表するユニコーン企業として、トヨタ自動車と自動運転の研究開発、ファナックと「止まらない工場」の研究を進めるなど、大企業と連携し、人工知能を活用した新たな産業の仕組みづくりに貢献。またENEOSと合弁を設立し、新物質開発や材料探索を高速化するクラウドサービスの提供も開始。深層学習用のスーパーコンピュータの省エネランキングで世界1位になるなど、技術力と次世代の新領域を開拓する経営が高く評価された。

  • 『経営者賞』 山本 明弘 氏(広島市信用組合理事長)

     超低金利、新型コロナウイルスの悪影響で多くの金融機関が厳しい状況に置かれる中、18期連続増収・過去最高益を達成。「利益を出しているからリスクを取ることができる」として、売り上げ減少や資金繰りに苦しむ中小零細企業など地域経済を支えてきた。保険や投資信託など金融商品を一切取り扱わず、預金、融資に特化した地域金融機関として預貸率は2021年3月期で約88%。金融機関の本質を見据え、「現場」に根ざした経営を展開していることが評価された。

  • 『経営者賞』 垣内 俊哉 氏(ミライロ社長)

     2万人に1人といわれる難病「骨形成不全症」を遺伝的に受け継ぎ、骨が弱く折れやすいため、幼少期から車椅子で過ごす。大学時代に起業し、障害を価値に変える「バリアバリュー」を企業理念にユニバーサルデザインに関する事業を展開。近年はデジタル障害者手帳「ミライロID」が民間企業として初めてマイナポータルと連携、障害者や事業者の負担を軽減した。障害者が直面する「環境・意識・情報」の3つのバリア解消に向け、障害者の視点を取り入れた新しいサービスを提供していることが評価された。

◆『財界賞・経営者賞』の選考委員は次の方々です。

伊藤 邦雄氏(一橋大学CFO教育研究センター長)
大宅 映子氏(評論家・大宅壮一文庫理事長)
北畑 隆生氏(元経済産業省事務次官・開志専門職大学学長)
熊谷 亮丸氏(大和総研副理事長・内閣官房参与)
小林 いずみ氏(みずほフィナンシャルグループ取締役会議長)
小宮山 宏氏(三菱総合研究所理事長・第28代東京大学総長)
柴生田 晴四氏(元東洋経済新報社社長・経済倶楽部理事長)
嶌 信彦氏 (ジャーナリスト)
村田 博文 (司会兼任・総合ビジネス誌『財界』主幹) (五十音順)

◆『財界賞・経営者賞』授賞式典は2022年1月14日(金)

東京都内のホテルで開催致します。式典の模様はインターネットの動画サービスでも配信致します。

財界賞とは

 広く日本経済を牽引した有力財界人を表彰する財界賞・経営者賞は、「経営者にも文壇の芥川賞、直木賞のような賞があるべき」との創業者・三鬼陽之助の思いから始まり、財界賞は『財界』創刊の昭和28年度に、経営者賞は昭和30年度に創設されました。

 昭和28年度の第1回財界賞には東芝で社長、会長を務めた石坂泰三氏が、昭和30年度の第1回経営者賞には日清紡績の社長、会長を務めた櫻田武氏が選ばれています。

 財界賞・経営者賞は「百万人行かずとも我行かん」「この日本国を蘇生させる」というスピリッツを持つ財界人、産業人を独自の視点で表彰してきました。卓越した経営手腕と同時に、社会に資する倫理観、美意識を兼ね備えた人物を『財界』誌は今後も発掘していきたいと考えております。

Ranking人気記事