2022-05-07

社名変更する【東和不動産】 富士スピードウェイを再開発

2026年の全面開業を目指す「富士モータースポーツフォレスト」(イメージ図)

トヨタグループがまちづくりに注力する。既に富士山の麓、静岡県裾野市で実験都市「ウーブン・シティ」の建設を進めているが、新たに「富士スピードウェイ」を中心とする体験型の複合施設「富士モータースポーツフォレスト」を同県小山町に建設する。2022年秋から順次オープンする予定だ。

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 手掛けるのはトヨタ自動車やグループの東和不動産。ウーブン・シティが最先端のモビリティ技術を含むスマートシティーの実験場であるのに対し、富士モータースポーツフォレストは「大人の遊び場・社交場」(執行役員の佐藤恒治氏)だ。

 そのため、富士スピードウェイを中心にホテルやミュージアム、レース車のガレージなどを備え、温浴施設も備える。「モータースポーツを起点とした魅力的なまちづくり」(執行役員の佐藤恒治氏)を目指していく。

 富士モータースポーツフォレストのコンセプトづくりにはトヨタ社長の豊田章男氏のアイデアもふんだんに取り入れられているという。26年に全面開業を予定しているが、富士スピードウェイが開業60年をにらみ、来場者を現在の年間70万人から100万人に増やす考えだ。

 まちづくりのポイントになるのがグループで不動産開発を手掛ける東和不動産だ。同社は4月27日付で「トヨタ不動産」に社名を変更し、「名古屋駅周辺以外にも、事業の幅やエリアを拡大していきたい」と新社長の山村知秀氏は抱負を語る。

 その山村氏は三井不動産出身で、トヨタグループ出身者以外で初の社長。東京ミッドタウンなどの商業施設やシェアオフィスなどを手掛けた人物だ。東和不動産と言えば、トヨタ自動車の歴代トップの秘書や名物広報マンなどが社長を務めてきた。

 体制が一新された背景には豊田氏が掲げてきた「ホーム&アウェイ」戦略がある。ホームとは競合と比較しても競争力で勝っている事業や地域。アウェイとは専門性において自分たちよりも相手の方が多くの優位性を持っている事業や地域。不動産はアウェイに当たる。

 東和不動産には東京・お台場の「パレットタウン」跡地で多機能アリーナの開発計画もある。トヨタの不動産会社としてモビリティを絡めた特色ある再開発ができるかどうかが勝負となる。

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