2023-07-15

石塚・熊谷弘司社長「ビニールの可能性を広げて”3つの100”を目指す!」

我々の生活で当たり前の存在となっているプラスチック製品。中でもビニールは用途を広げています。当社は1955年、プラスチック素材が日本で生産されるようになって間もない頃に創業し、時代と共にビニールの市場を開拓してきました。

高宮一雅・タカミヤ会長兼社長「建設現場に欠かせない『足場』ソフトとハードの融合で」

 もともと私の祖父が高島株式会社で産業用繊維の仕事をしていた頃は、ポリ塩化ビニールと言えば色付き不透明が当たり前でした。しかし、透明なポリ塩化ビニールが日本で出始め、その可能性を感じた祖父は透明なポリ塩化ビニールを主力とした問屋を創業したのです。

 その後、私の父が単なる材料の卸から加工という領域へと業容を拡大させました。具体的には文具や事務用品、容器、日用雑貨品、包装用紙、綿織物、半導体・電子機器の部材など。それだけビニールは私たちの生活に溶け込んでいったのです。

 コロナ禍でも皆さんが目にしたコンビニエンスストアのレジやオフィスの会議室などに設置された飛沫対策用のカーテンも、そのほとんどがビニール製です。また、コンビニやスーパーなどで飲料品が置かれている棚にかかっていたのもビニールです。環境意識の高まりもあって、冷気や熱を逃がしにくくするビニールに対する当社への問い合わせは2023年1月から3月にかけて前年同月比で約3倍でした。

 私が考えるビニールの強みとは「柔軟性」「加工性」「透明性」です。ビニールは他の素材とは違って傷がつきにくく、折り曲げても元に戻りますし、様々な素材とも混ぜ合わせやすい点があります。色を付けた防虫対策や火が付きにくい防炎対策はその一例です。

 そんなビニールの有用性を生かして当社が開発・製造したのが「ビニールカーテン」。工場や倉庫などで空間を仕切るものとして採用されています。暑さや寒さ対策といった空調効率化と防虫対策などを目的に導入されることが多く、現場で働く人の環境改善につながっています。

 例えば、物流倉庫。そのほとんどが自動化されており、人が働いているエリアはごく僅か。しかし、働く人の環境改善は重要で、猛暑であればなおさらです。しかし、大掛かりな設備投資をすれば資金もかかります。

 そこで当社のビニールカーテンを使っていただくケースが増えているのです。ビニールカーテンであれば、労働環境を改善したい部分、節電対策を実施したい部分だけを囲えば済み、投資も少額で抑えられます。

 そんなビニールカーテン自体は父の時代に開発されたものになりますが、お客様から見れば、ビニールカーテンという素材を注文し、その取付工事は別の業者に発注しなければならないという煩わしさがありました。

 そこで3代目である私が取り組んだのが取付工事も当社が行うというもの。これにより、材料の発注から加工・取付工事まで一気通貫のワンストップで対応することができるようになりました。これは当社の強みです。

 かつてビニールは環境に悪いものというイメージが根付いていましたが、技術革新でビニール自体も進化し、環境への影響も少なくなり、一部はリサイクルも可能になりました。既に手帳で当社は実践しています。

「3つの『100』を目指す」─。100年企業を目指し、従業員の数を現在の倍に当たる100人にし、売上高100億円を目指す。これが私の目標です。65年超にわたり、当社はビニールと共に歩んできました。目標を実現させるためにも、このビニールの潜在力をもっと広げていきたいと思っています。

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