2023-08-27

【ずいひつ】日本リミニストリート・脇阪 順雄社長が語る「これからの時代に求められる”コンポーザブル”なIT経営」

コロナ禍3年でデジタル化が一気に進み、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源をいかに効率よく投資に回すかという決断が経営トップに求められる大きな要素となっています。

 従来までの紙の契約書は電子契約・署名にとって代わるなど、コロナは半ば強制的な変化を企業に求めたのです。加えて、ロシアによるウクライナ侵攻などで原材料や電力などのエネルギーコストも急騰。コスト構造改革は待ったなしの状況です。

 では、経営者はそういった経営環境の中でどのような経営の舵取りを行わなければならないのでしょうか。私は1つの考え方として、厳しい変化に適応を求められる部分だけを小さなコンポーネント(構成要素)のように考え対応していくことが舵取りのカギになると考えます。

 例えば、会計や給与などの既存業務を支える基幹業務システム(ERP)をバージョンアップするために一時的に止めなければならないとしたら、皆さんの業務に大きな支障を来すことは間違いありません。

 そこで、これらの課題を解決すると共に、新たなデジタル時代に求められる考え方が「コンポーザブル」という概念です。コンポーザブルは「構成可能な」という意味を表しますが、要はビジネス目標に合わせてITシステムを柔軟に構築・変更・統合できる経営手法を指します。

 コンポーザブルなアーキテクチャーを採用すれば、プラットフォームやミドルウェア、API(ネットワーク化されたサーバー上で動作するソフトウェアコンポーネント同士の情報をやり取りする際に使用するインターフェイスの仕様)、アプリエーションを部品化することができ、必要な機能を組み合わせた独自のITシステムを柔軟かつ迅速に構築して運用することができるようになります。

 その結果、ERPのバージョンアップをはじめ、コロナやウクライナ両危機といった予期せぬビジネス要件の変更にも対応しやすくなり、効率的なシステムの構築を実現することが可能になります。先の基幹業務システムのバージョンアップの事例で言えば、変更が必要な部分を必要な分だけ変更するわけです。しかも、自社でそれを行うのではなく、それをサポートする専門業者に任せれば良いのです。

 当社は、まさにこの「第三者保守サービス」という領域において、グローバルで5000社以上に導入いただき、数千億円以上のITコストの削減を通じて、多くの企業がビジネス起点でイノベーションを起こせる環境を提供してきました。

 日本でも350社を超える日本企業をサポートしてきましたが、これができるのは当社がグローバルでSAPやオラクルのシステムに精通した数千人のエンジニアを抱えているからです。24時間の日本語での対応が可能で、緊急を要する場合には10分以内の応答を保証しており、初期応答時間の平均実績は5分以内になっています。

 ビジネスとITを切り離して考える時代は終わりました。これからのビジネスはITと密接な関係にあり、ビジネスモデルの創出や展開にはITは欠かせません。これまではデジタルトランスフォーメーション自体の必要性が叫ばれていましたが、これからはイノベーションや変革を前提としたコンポーザブルなITシステムが求められます。

 日本企業のグローバルにおける存在感が低下している今こそ、本業以外は他に任せて、本業に集中できる経営環境をつくり、新しいことに挑戦できる風土を醸成しなければならないのです。

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