2024-02-06

《直言》INPEX社長・上田隆之の「今後も日本のエネルギー政策は「S+3E」が基本」

上田隆之・INPEX社長

エネルギーはクリーンな方がいい、でも、値段が上がるのは困る。多くの人はこう思っているのではないか。もちろん、両立できれば、それに越したことは無いが、今は難しい。

 よりクリーンなものを求めるのであれば値段も高くなるという覚悟が求められる。値段が上がった分を誰が負担するのか。国なのか、最終消費者になるのか、この辺の理解をどう進めていくかが重要だと思う。

 原子力にしろ、再エネにしろ、これだけあれば完璧と言えるようなエネルギーは無い。どれも良い点もあれば、悪い点もある。だから、様々なエネルギーの組み合わせでいくしかない。最近、国際的に〝トリレンマ〟と言われるようになったが、何のことは無い。日本では昔から「S+3E」(安全+安定供給、環境性、経済性)と言ってきた。やはり、今後も日本のエネルギー政策はS+3Eが基本になるだろう。

 昨年末、UAE(アラブ首長国連邦)でCOP28(第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議)が開かれ、そこで初めて「transitional fuels」という言葉が使われた。「transitional fuels」はエネルギー安全保障を確保しつつ、エネルギー転換を促す役割を果たすもので、これは天然ガスも意味すると理解している。

 国際的にも、天然ガスは当面、重要な役割を果たしていくという共通認識になりつつある。やはり、天然ガスはトランジションの重要なエネルギーだ。

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