2024-02-24

【ずいひつ】AthReebo(アスリーボ)・金沢景敏代表取締役が語る「『アスリート』の生涯価値を最大化」

米大リーグの大谷翔平選手や米バスケットボールリーグの八村塁選手……。日本人のアスリートが世界で活躍するようになりました。しかし、他国と比べても日本のアスリートが成功する確率はごく僅か。ただ、アスリートの1つの物事に真摯に取り組む姿勢、勝つ喜び、負ける悔しさは、もっと産業界でも生かせることができるのではないでしょうか。

 当社は昨年10月、日本初の取り組みとなるアスリートと企業の「相互支援型の社会貢献活動」となるAthTAG(アスタッグ)という活動を始めました。そもそも日本にはアスリートにお金を払うという文化がありません。ですから、アスリートも年齢や怪我で引退を余儀なくされれば、収入を得られる道が閉ざされてしまっているのです。

 しかし、欧米ではスポーツはエンターテインメントの1つとして捉えられており、第一線を退いたアスリートにも次なる舞台が用意されています。一方で日本はまだまだ体育の延長といった教育の範疇にあります。

 私はこの価値観を変えたいのです。世界選手権やオリンピック、ワールドカップなどで日本人のアスリートが活躍すれば、日本人は奮い立ちます。そのためには次世代のアスリートを育てる環境が不可欠です。私は彼らを「ミライアスリート」と呼んでいるのですが、彼らを育てるためには、練習環境や練習器具などを揃える必要があります。

 ただ、そのための課題として長年掲げられていたのが資金の調達方法でした。そこで、この資金調達難を解消するため、引退したレジェンドアスリートを企業がシェアできれば、安価に彼らの知名度や知見・経験をフル活用できる仕組みを構築しました。それがアスタッグです。

 アスタッグではレジェンドアスリートとして柔道・野村忠宏さん、テニス・伊達公子さん、野球・古田敦也さん、バドミントン・潮田玲子さんなどに参画いただいています。当社の理念に賛同していただける企業に参画していただき、「毎月定額の支援金」としてサポートを行っていただくことで、そのリターンにレジェンドアスリートの肖像権を提供することができます。

 レジェンドアスリートの肖像は企業のブランディングはもちろん、広告などにも自由に使うことが可能です。輝かしい経歴を持つレジェンドアスリートも企業の業績向上を応援し、レジェンドアスリートと企業が一緒になってミライアスリートを育成することにつながります。

 例えば、社労士法人や不動産、歯科医院などでは名刺やポスター、クリアファイル、封筒などにレジェンドアスリートの肖像を使っていただき、レジェンドアスリートにまつわる逆境を乗り越えた強い志や夢、清潔感、飽くなき挑戦魂といったイメージを持っていただいています。既に50社以上の企業・法人に賛同いただいています。

 そもそも私はアスリートではありません。ただ、幼少期から大学に至るまでスポーツに打ち込み、仲間と一緒に汗を流した経験を通じて、スポーツの可能性は感じていました。これまでTBSや生命保険の営業マンとしてアスリートの姿を間近で見てきましたが、課題だと感じていたのが「スポーツの収益化」と「資金調達」だったのです。

 先ほども申し上げたように、企業から支援いただいた支援金の一部は次世代アスリートの育成に充てられます。この「アスリートの生涯価値」を最大化する持続可能な仕組みが回っていけば、いま以上に日本のスポーツ界は発展するのではないでしょうか。

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