2024-08-19

『ENEOS・九州電力と連携』JERAが手掛ける火力発電プロジェクト

JERAの五井火力発電所1号機(千葉県市原市)

来春の3号機の運転開始で約580万世帯分の電力確保



 東京駅から電車と車で約1時間半。千葉県市原市の沿岸部で、8月1日から、世界最高水準の熱効率をほこる発電設備が営業運転を始める。LNG(液化天然ガス)による火力発電所で、JERAの五井火力発電所(市原市)1号機だ。

「こちら1基で約194万世帯の電力を支える発電設備であり、安全で安定な電力供給がわれわれの使命。それに加え、CO2(二酸化炭素)の排出削減に貢献できるのも大きいと考えている。当初計画より約1カ月前倒しで営業運転を開始することで、電力需要が増加する夏の電力供給に貢献していく」

 こう語るのは、JERA、ENEOS、九州電力の3社による共同出資会社「五井ユナイテッドジェネレーション合同会社(GIUG)」社長の佐藤正高氏。

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 JERA、ENEOS、九州電力の3社が、新たな火力発電所プロジェクトを進めている。

 これは老朽化したJERAの既設の五井火力発電所(千葉県市原市)をリプレース(建て替え)するもの。既存の発電所は1963年から50年超にわたって運転を続けてきたが、2018年に老朽化のため廃止。今回、新たに3基の発電機を立ち上げる。

 まずは1号機が8月1日から営業運転を開始。発電規模は78万キロワットで、来春までに2号機、3号機(出力規模はいずれも1号機と同じ)の稼働を始める予定。合計出力は一般的な家庭で約580万世帯分の電力を賄える234万キロワット。廃止した発電所よりも約45万キロワット出力規模が拡大するが、年間約110万トンのCO2(二酸化炭素)排出が削減できるという。

 総投資額は非公表ながら約2000億円規模。単純に1基が稼働すれば、電力需要に対して、供給余力の余裕がどの程度あるかを示す「電力予備率」は首都圏で最大1%、3基合計で最大3%改善する見通しだ。

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