2024-08-21

日比谷パーク法律事務所代表・弁護士 久保利英明「本来は株主も企業も目指すべき方向は同じはず。いい経営をやれば業績も株価もよくなる」

久保利英明・日比谷パーク法律事務所代表・弁護士

自分たちの正義や存在意義をきちんと説明できているか?



 ─ 近年は東芝やセブン&アイ・ホールディングス、東洋証券など、いわゆる、モノ言う株主に振り回される企業が目立っています。改めて、企業と株主の関係をどう考えますか。

 久保利 株式会社というのは、株主がコストをかけて株式を取得することで成り立っているものです。つまり、株主がこの会社は経営資源を十分に活用していないとか、本来持っている能力に対して経営効率が悪いからここを修正しなさいと主張するのは当然のことです。

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 いい経営をやればもっと業績が良くなり、株価も良くなる。これが一番の原点であり、本来は株主も企業も目指すべき方向性は同じはずです。

 ─ 問題はここですね。いつの間にか、配当を過度に要求したりして、株主と経営者の方向性がずれてくる。

 久保利 いや、株主が配当を要求するのは当然のことですし、方向性がずれてきたのであれば、経営者はきちんと説明しなければなりません。そこをわきまえて経営者はいい経営をし、株主を大事にしながら、しっかりPRもし、IRもする。こういう形ができていれば本来、企業と株主の主張がそんなに乖離することはないはずです。

 そこが乖離しているというのは、何かを隠したり、創業家に忖度したり、非効率的な経営をしているのではないかと。やはり、何かを偽ったり、不合理な経営をやっているから、株主につつかれて説明ができないのだと思います。

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