2024-09-12

【論考】セブン&アイがカナダ企業から買収提案 本来あるべき企業経営のかじ取りとは?

突如、買収提案がなされる時代になった

セブンも外資規制の対象に当てはまる⁈



「コーポレート・ガバナンス(企業統治)の浸透や株主を意識した経営が進む中、10年前であれば重要視しなくても良かったような潜在的なイベントリスクが、国内にも存在することを意識させられるものになった」

 こう語るのは、ある証券会社の関係者。

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 セブン&アイ・ホールディングスが、カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けて約2週間。株式市場では様々な反応が出ている。

 今回の提案が注目されるのは、買収が成立すれば、外資による過去最大の日本企業買収になるから。報道のあった8月19日時点で、セブンの時価総額は約4.6兆円。買収金額は少なくともそれ以上となるため、これまで過去最大だった米投資ファンドによる旧東芝メモリ(現キオクシアホールディングス)の約2兆円を大幅に上回る計算だ。

 アリマンタシォンはカナダや米国で、ガソリンスタンド併設型のコンビニを運営。売上高は約10兆円だが、その約7割はガソリン販売によるもの。将来的な脱炭素対応でガソリン販売事業を巡る経営環境が不透明感を増す中、小売り事業の強化を図るため、近年、米国でコンビニ事業を強化するセブンに買収提案したものとみられる。

 今後、セブンは社外取締役のみによって構成される特別委員会で、同社の提案を受け入れるかどうか検討する。ただ、現状では、セブンが「提案を受け入れるとは思いにくい」(小売関係者)との見方が多く、実現の可能性は低い。

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