2021-06-27

【外務省】オリンピック開催を前にVIP受け入れ準備が本格化

政府が夏の東京五輪を確実に開催する方向で調整していることを受け、外務省も海外からのVIPの受け入れ態勢など、準備を本格化させている。

 当初は日本で新型コロナウイルスワクチンの接種率が遅れていることを踏まえ、VIPの来日は少なくなるとの見方もあった。しかし、フタをあけると、次の2024年パリ夏季五輪の開催国であるフランスのマクロン大統領が早々と来日を発表。外務省関係者によると、2022年北京冬季五輪を開く中国の李克強首相に加え、韓国の文在寅大統領も日韓関係を改善させる意味も込め来日を検討しているという。米国も、日米同盟を重視する立場からハリス副大統領が来日する案が出ている。

 外務省はオリ・パラ要人接遇事務局を立ち上げて準備しているが、担当官僚は「コロナ禍の前とくらべ、格段に調整作業は難しくなった」とこぼす。訪日外国人を制限するため、大会組織委員会はVIPでも配偶者の同行を認めず、帯同者は国家元首級でも最大11人に絞るなど、厳しいマニュアルを策定しているからだ。

 事務局関係者は「各国から『ワクチンを全員打って来日する。例外を認めろ』などと盛んに言われ、困っている」とこぼす。VIPは感染防止のため、母国の選手団を直接激励することも認めていないが、「選手もVIPもワクチンを打っていて、なぜ面会を認めないのか」といった批判も浴びるという。

 VIPの来日が増えれば、菅義偉首相との会談など「五輪外交」が増える可能性も高い。同省では、コロナ禍で国をまたぐ移動を控えていた在外公館から職員を呼び戻して、対応に追われている。

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