2022-01-26

【株価はどう動く?菅下清廣氏に聞く】長期の上昇トレンドは終了か?FRBの金融政策の動向に要警戒



 これまでニューヨーク株に投資をしてきた投資家は要警戒です。この後、まだ高値はあるかもしれませんが、現金比率を高めた上で、この後大きな下落調整局面に入るのか、ここを踏ん張って1月5日の高値を突破してくるのかどうかを見極める必要があります。

 年初からの波乱相場の最も大きな要因はFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策です。長年続いた金融緩和から引き締めに転換すると宣言しているわけです。この後3月に本格的に量的緩和を終了して、利上げが行われるということになれば、ニューヨーク株は間違いなく天井で、マネーバブルの〝宴〟は終わります。

 次のFOMC(米連邦公開市場委員会)の内容が、本格的な引き締めだということになれば、その時点で相当下げる可能性があります。それを見極めるためにも投資家は現金比率を高める必要があるということです。

 この後、マーケットが反発してくるようであれば、FRBの量的緩和縮小、利上げが一時的なものにとどまるということになります。オミクロン株が猛威を奮って、コロナ感染拡大が欧米、世界中で続いていますから、経済の絶対悪は続きます。

 そこでFRBは金融緩和の行き過ぎを修正するにとどめて、緩和自体は続けて、米政府の景気対策も引き続き強力に行われるということになれば調整局面は一時的ということになります。このどちらのコースを行くかは、現時点ではまだわかりませんが、3月末までにはわかるでしょう。

 加えて、米中対立激化、ロシアのウクライナ侵攻リスクが残っていますから、株安のリスクが高いということが言えます。

 一方、私独自の波動論で見ると、コロナショックの安値から直近の高値までの3分の1押しはどこかというと約3万ドルです。もし、大幅な調整があっても、3万ドルを割れなければ、再び相場は戻ってきます。

 もう一つ、21年の年足は「陽線」でした。年始より年末の方が株価が高かったのです。しかも、3年連続で陽線が出ています。酒田五法では3本連続の陽線は上昇トレンドの兆しとされています。

 そこから見ると、22年の年足も陽線になる、つまり今年は前半安、後半高になる可能性があるということです。この時には、経済の実体悪を受けて、FRBが再び金融緩和のスタンスに戻ることが予想されます。しかも、11月には米中間選挙がありますから、バイデン大統領は必ず景気対策を打ってくるでしょう。これが後半の株高につながります。

 為替の円安が続いていますが、日本は今、輸出立国ではなく資本輸出国ですから、ドル資産を保有するメリットが大きくなります。しかも米国の金利が上がれば、日米の金利差が広がり、さらに円安につながるでしょう。ただ、米国は今、中国の覇権主義に対抗することに意識が集中していますから、ドル高是正にはすぐには動かないと見ます。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事