2022-02-10

驚きの最高益更新で『商社首位』! 三井物産会長を直撃

安永竜夫・三井物産会長



多様性に対して受容性の高い日本人を育てる



 ―― これからはウィズコロナ・アフターコロナを見据えて、感染症対策と経済成長を両立させていかなければなりません。アフターコロナにおいて大事なことは何だと考えますか。

 安永 日本は失われた30年と言われますが、これまで日本人はあまりにも島国の中で同質性を重んじ、出る杭を打ってきたところがあります。多様性に対して、ダイバーシティ・アンド・インクルージョン(個々の違いを受け入れ、認め合い、生かしていくこと)と言いながら、それをやろうとしてこなかったのではないかと思います。

 特に、商社は世界中で事業を行っていますので、徹底的に多様性のある会社でなければならないと思っています。ですが、以前、社外取締役の内山田竹志さん(トヨタ自動車会長)から「思った以上に外国人も女性も少ないね」と言われたことがありますが、確かにその通りだったのです。

 ―― 本社にいる外国人はどれくらいの割合ですか。

 安永 本社で働いている4400人のうち、外国籍の社員は100人もいません。

 連結では世界で約4万5千人の社員がおり、海外に在籍する社員は6割超になる中で、本社の外国籍社員は少な過ぎると思います。多様な人材が刺激を受け合いながら、能力を最大限に発揮できる環境を整備しなくてはなりません。

 ただ、海外の事業の現場を見てください。それは間違いなくハイブリッドです。現地の人を最大限生かしつつ、日本から入った人間がチームをつくって、まさにインターナショナルチームとして経営をやっています。

 海外に行けば、それが当たり前ですし、現地では性別も年齢も宗教も国籍も関係なく一緒に仕事をしています。それをどうやって東京に持ち込むか。

要するに、日本人でない人が常に組織の中にいるという状況をつくっていかなければならない。そこが今後の当社の課題であり、そのような多様性に対して、受容性の高い日本人を育てることが、われわれの役割だと思います。

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