2022-06-27

【コロナ禍で変化する飲料業界】キリンVSコカ・コーラ なぜ今、「紅茶飲料戦争」なのか?

誕生30年を迎えた「紅茶花伝」ブランドで総合ブランド化を図る日本コカ・コーラ



「午後の紅茶」や「ボス」も健康や果汁の新商品を投入

 その同社も手を打つ。科学的根拠を持つキリン独自の機能性素材「プラズマ乳酸菌」を含む商品やファンケルと共同開発した商品など、健康を意識した午後の紅茶ブランドを発売。「ヘルスケアは成長戦略の幹」(キリンビバレッジ社長の吉村透留氏)として力を入れていく考えだ。

 また、紅茶業界では新参者のサントリー食品インターナショナルも「クラフトボス」のブランドで、5種類の果実を使用したフルーツティーを発売するなど競争の熾烈化は必至だ。

 そんな中での日本コカ・コーラの紅茶飲料の新戦略では、ブランドロゴやパッケージデザインを刷新し、商品全体に統一感を持たせた。ロイヤルミルクティーと多彩なフレーバーを持つクラフティーなど、ラインナップの拡充によって〝選べる楽しさ〟を訴求。山腰氏は「原材料の組み合わせの可能性は大きい」と紅茶の潜在力を強調する。

 そもそも日本コカ・コーラは主力炭酸商品の「コカ・コーラ」やミネラルウォーターの「い・ろ・は・す」でも、様々な味の派生商品を継続的に市場に投入し、確固たるブランドを確立。それを紅茶市場でも展開する。

 紅茶飲料市場は約2000億円規模。飲料全体に占める紅茶の比率は1割程度と小さい。しかし、コロナ禍でオフィス需要の減少などで伸び悩む飲料業界にあって、紅茶飲料の人気は高まっている。原材料の高騰など懸念材料も多い中で、消費者のニーズを汲み取りながら、いかに自社のこだわりを商品に反映させていけるか。各社が知恵を絞って鎬を削ることになる。

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