2023-04-12

Abalance取締役CEO 龍潤生 「ソーラーシェアリングでエネルギー問題と食糧問題の解決を」

龍 潤生・Abalance取締役CEO

今期二度目の上方修正

 ─ 現在、日本のエネルギー自給率は約12%。エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っている現状を改善するには、再エネを増やすことが必要です。

 龍  日本はもともと資源の無い国ですよね。しかし、神様は全世界に平等に太陽を降り注いでくれています。ですから、わざわざ海外から化石燃料を輸入するよりも、神様から与えられた恵みを享受して活かす方が日本にとって自然だと思うんですね。

 世界は今、カーボンニュートラル(温暖化ガス排出実質ゼロ)に向かって動き出しました。足元ではウクライナのような問題もありますけど、太陽光などの再生可能エネルギーの需要は高まる一方です。

 われわれは原子力を敵だとは思っていません。ですが、これだけ安全面での不安が払しょくできないわけで、また、化石燃料にいつまでも頼っていては地球温暖化が止まることもありません。そうなったら、再エネを増やすしかないんです。

 ただ、太陽光にしてもコストがかかりますから、国内にこだわっていればコストを安くすることはできません。太陽光パネルは日本でつくるとコストが高くなる。日本でつくると、中国から輸入するよりも1.5倍ほどのコストがかかります。

 だから、われわれは海外でパネルをつくるしかないと。それで現在はベトナムに投資し、現地で太陽光パネルを製造している。自社工場で太陽光パネルを製造することにより、グリーンエネルギーの普及を推進しているということですね。

 ─ ベトナムの工場もフル稼働ですか。

 龍 はい。現在はベトナムに4つの工場がありまして、5つ目の工場(セル工場)を建設中です。ベトナムは政府の支援が手厚くて、税制の優遇があったり、非常に地元の方々が応援してくれるのが大きい。この他、インドネシアや米国にも工場を建設しようか検討しているところです。

 すでに、ベトナムの太陽光パネル製造会社「Vietnam Sunergy Joint Stock Company(VSUN)」が2020年から連結入りしまして、一気に売上と利益がアップ。現在も欧米向けのパネル販売が想定以上に伸びていまして、今期(2023年6月期)は二度目の上方修正を行い、売上高は1750億円、営業利益は70億円となる見通しです。


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