2023-04-12

Abalance取締役CEO 龍潤生 「ソーラーシェアリングでエネルギー問題と食糧問題の解決を」

龍 潤生・Abalance取締役CEO



 ─ そう考えると、まだまだ成長の余地はありますね。

 龍 もちろんです。わたしは2007年に帰化しまして、今は日本国籍です。だから、海外で事業をする時はいつも、自分が勝手に日本を代表しているような感覚があるんですね。

 日本は他の先進国と比べると、まだまだ再エネの普及が進んでいません。日本は国土が小さいのが弱点ですが、それでも現在使っていない山間部や遊休地が沢山あって、太陽光の普及という観点で考えたら、おそらく今は10分の1も活かされていない。まだ90%以上は開発の余地があると思います。

 ─ 遊休地ということは、農地をもっと活用するということですか。

 龍 ええ。日本には休耕地が沢山ありますし、山間部でも太陽光に適している場所はいろいろあります。

 われわれはソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)と言いまして、営農をしながら、太陽光発電を行っています。すでに千葉県匝瑳市で創エネと農業の融合が行われています。

 エネルギー同様、農業も食糧自給率が低いことが問題になっていますが、今の日本では一般的な農家が農業をやっても儲かりません。だから兼業農家になったり、別の仕事をして生計を立てているわけですね。

 しかし、太陽光で発電した電気を売電することで、匝瑳市の事例では一反分の土地では毎月10万円以上の収入になっているところも出ています。これは農家にとっては大きな収入ですし、農業との共生ということで、大きな意味があることだと思います。

 ─ なるほど。創エネをしながら、農業との共生ができるわけですね。

 龍 そうなんです。わたしは今の日本の最も大きな課題はエネルギー問題と食糧問題だと考えています。太陽光を普及させることでCO2(二酸化炭素)削減と脱炭素化に貢献し、農家の収入増にも貢献しながら、食糧自給率の改善に寄与していく。今はそんな農業振興、地方創生のあり方があってもいいのではないかと考えているところです。

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