2023-04-13

【財務省】2兆円超の物価高対策を決定 自民党からも「バラマキ」批判

政府は3月22日、低所得世帯への現金給付や主に地方で使われるLPガスの料金低減など、総額2兆円超の物価高対策を決定した。

 2022年度予備費から2兆円超を充当。住民税非課税世帯に3万円を支給する他、児童扶養手当を受けている低所得のひとり親世帯や住民税非課税世帯の子育て世帯には子供1人あたり5万円を支援する。

 鈴木俊一財務相はこれに先立つ17日の記者会見で「国民生活と事業活動を守り抜くための策だ」と強調した。

 4月の統一地方選や衆参5補欠選挙を控えているとはいえ、足元では新型コロナウイルスの感染拡大は見られず、岸田文雄政権の支持率も回復基調にある中での「あからさまなバラマキ」(財務省幹部)に、自民党からも「少子化対策といいながら放漫財政のツケを次世代に回している」(中堅)と厳しい声が出ている。

 自民の中では、岸田首相が5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)後、今秋までの間に衆院解散総選挙を断行し、勝利すれば長期政権が視野に入るため、一気に増税路線に傾くとの見方がくすぶる。

 なぜなら、政府が3月末に取りまとめる「異次元の少子化対策」は、結婚から出産、育児、教育まで「少子化対策のフルコース」(官邸筋)が示され、今後、数兆円規模の財源確保が必要だからだ。

 ただ、鈴木氏がその大役を担うことはないかもしれない。というのも、岸田首相は次の内閣改造・党役員人事で、「ポスト岸田」に意欲を持つ茂木敏充幹事長を財務相に横滑りさせるともいわれている。財務省は「役人に厳しい茂木氏だけは避けたい」と今から戦々恐々だ。

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