2023-05-17

【総務省】「プラチナバンド」獲得へ 楽天モバイルに追い風?

屋内などでも携帯電話がつながりやすい電波の周波数帯「プラチナバンド」の未利用帯域について、総務省の有識者会議は、一定の条件を満たせば、携帯電話用に使えることができるとする案をまとめた。松本剛明総務相は「本年秋ごろの割り当てを目指し、技術基準や周波数の割り当て審査基準などを示す」との意向を示しており、秋にも新規割り当てが実現する見通しとなった。

 プラチナバンドを巡っては、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が割り当てを受けている一方で、後発の楽天モバイルには割り当てがなかった。楽天モバイルは早速、「早期の割り当てを希望する」と表明。総務省によると、携帯大手4社の中で、割り当て希望の意思を明確に示したのは楽天モバイルのみで、悲願のプラチナバンド獲得に向け、楽天に追い風が吹く格好となった。

 新たに割り当てられる周波数帯は、広いエリアのカバーが可能な700MHz帯。これまでは周波数帯が隣接する地上デジタルテレビ放送などへの干渉を防ぐ目的で、空白の帯域となっていた。楽天モバイルはかねてからプラチナバンドの獲得を目指しており、「割り当てられた場合には、コストを抑えた効率的な基地局設置を行い、安定的で高品質なサービスを提供していきたい」との談話を公表。

 今回割り当てられるプラチナバンドについて総務省が実施した調査に対し、NTTドコモは「利用可能性の詳細について検討を進める」、KDDIは「開設指針などを踏まえて申請を判断する」、ソフトバンクは「技術的条件などを勘案しつつ検討する」と回答。楽天モバイルだけが「電波が届きにくい場所への対策などに活用したい」と、明確に利用する考えを示したという。

 プラチナバンドは、楽天モバイルが既存の3社に対し、既に割り当てられている帯域の再配分を求めてきたが、3社とも難色を示してきた経緯がある。

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