2023-06-13

《今後の政界再編のキーマン》日本維新の会・馬場 伸幸代表を直撃!



教育無償化の目的とは?



 ―― 都構想を含め、日本維新の会の政治活動の基本軸は行財政改革ということですか。

 馬場 ええ。やはり、われわれがずっと申し上げてきた身を切る改革です。皆さんの中には住民の身を切るのかと誤解されている方もいるんですが、そうではない。身を切る改革というのは、税金で暮らしをさせていただいているわれわれ政治家が身を切る。つまり、報酬をカットし、定数を減らす。それをまずやりましょうと。「隗より始めよ」ということです。

 政治家が率先して身を切ることによって、国民の皆さんに本気なんだと思っていただける。そうやって、どんどん改革をしていくことで生み出された財源を将来の投資に回しましょうというのが、われわれの考え方です。では、将来の投資って何ですかと言われたら、教育の無償化なんですよ。

 東京ではあまり報道されていませんが、吉村洋文大阪府知事が、大阪府内の高校と公立大の授業料の完全無償化をやろうとしています。2024年度からの段階的な実施を目指していて、府民であれば幼稚園、保育園から大学、大学院までの授業料を無償化し、年収や子供の数などで設けている制限も撤廃しようとしています。

 ―― そうした教育無償化を実現するには相当の財源が必要になると思うんですが。

 馬場 試算では427億円かかります。でも、われわれは府民にご負担を掛けたり、1円たりとも増税したりしません。自分たちの身を削る改革を行っていけば、今ある財布の中から何とかやりくりして財源を生み出していけると考えています。

 教育無償化の目的は二つあるんです。非正規で働く人が増えたことで、今はわれわれが想像している以上に経済的な理由で高校や大学に進学できない子供たちが爆発的に増えている。ですから、やる気があっても学問を修められない子供たちをゼロにしていこうというのが一つ。

 もう一つは、人の人生を考えたら、生まれてから死ぬまでに一番お金のかかる時期はやはり、結婚して子供が生まれ、その子供が成長して進学していく時ですよね。だから、若い子育て世代の皆さん方を経済的にサポートしようと考えているのです。

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 ―― 人を中心とした政策ですね。まずは子育て支援からやっていくと。

 馬場 ええ。教育費がなくなれば、若い世代の皆さん方の可処分所得が増えるわけです。

 日本はGDP(国内総生産)の6割が個人消費で支えられていますから、その若い世代の皆さんが増えた可処分所得で買い物に行ったり、旅行へ行ったり、外食に行ってくれると。そうなれば個人消費が伸びます。個人消費が伸びて、経済が好転すれば税収が増える。税収が増えたら、また今度は新しい行政サービスにチャレンジできる。こうした好循環を生み出していきたいと考えています。

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