欧州サッカーのチャンピオンズリーグやテニス、映画、音楽ライブ、ハリウッドとの日米共同制作ドラマ『TOKYO VICE』や『連続ドラマW フィクサー』などのオリジナルドラマが人気のWOWOW。
同社は2021年に長期ビジョン『10年戦略』を策定。『企業が作ったコンテンツを一方的に届けるだけの時代は終わった。共に参加し、共に応援し、共に楽しむ。』として、コンテンツがコミュニティを生み、コミュニティが文化を創る─という好循環を実現しようとしている。
その中で、23年度は〝会員ファースト〟、〝独自性の追求〟という2つを強化。冒頭の東方神起の事例は、普段は接することができない特別な〝場〟を提供することで、会員にWOWOWならではの独自サービスを体験してもらおうという試みだ。
こうした取り組みは音楽ライブだけではない。3月には世界最高峰の映画の祭典「アカデミー賞授賞式」の生中継に先駆け、六本木ヒルズで特別試写会を開催。作品賞にノミネートされた日本未公開作品を含む5作品を一挙上映。来場者からは、「約12時間のオールナイト上映というメチャクチャな企画だったが最高に楽しかった」、「有意義な時間を過ごすことができた」と高評価を得たようだ。
横山氏はこうした取り組みについて、「この2年間、顧客体験価値を上げていくことに注力してきた。会員の方々には視聴だけではないプラスアルファの体験、WOWOWだからこそできる体験を引き続き提供していく」と語る。
WOWOWは独自性をいかに創出し、独自の魅力をユーザーに訴えていくか。ネットか、テレビかという放送や配信の〝手段〟ではなく、今後は独自のコンテンツや体験価値が今まで以上に問われそうだ。