2023-06-21

【株価はどう動く?】「ゴールデンサイクル」の波に乗って「日本買いの時代」が到来する!?

日本は「ゴールデンサークル」に入ったか?

「賃上げインフレ」で消費が拡大するか

 年初から本連載を含め、講演会などで、2023年の1―3月期は日本株の底値圏、最後の買い場となり、4月以降、新たな株高が始まるのではないかと予想してきました。

 この予想の裏付けの1つには「波動論」があります。2020年3月のコロナショックの安値から、ちょうど3年目にあたる23年3月くらいまでに二番底、ダブルボトムを入れて、底入れするのではないかと見てきたのです。二番底を入れれば株が上昇するというのは、相場の波動ですが、その通りの展開になっています。しかも、今の株高は戻り相場ではなく、新たな株高が始まっています。

 株価が波動の通り動くためには、それとマッチングする買い材料が出てこなくてはいけません。その材料の1つが4月以降に多くの企業が賃上げしたことで起きた「賃上げインフレ」です。どういう意味かというと、賃上げをすると個人が消費を拡大します。消費によって企業の売り上げが上がり、インフレにつながっていくというもので、4月以降出てきています。

 2つめの材料は円安です。昨年10月に32年ぶりという150円台を付け、今なお140円近辺の水準にあります。日本は輸出立国として成り立ってきました。今では多国籍化した大企業も多いわけですが、それでも今なお円安メリットは大きいのではないかと思います。

 バブル崩壊の際には円高となって、日本の輸出産業は大打撃を受けたという過去もありました。振り返れば、その間隙を中国や韓国に突かれて、日本の競争力が失われたのです。

 今、その逆バージョンとなりつつあります。ゴルフに例えると、非常に厳しいハンデでプレーさせられていた日本が、楽々優勝できそうなハンデになってきているのです。

 ですから、日本の景気がよくなり、株が上がるのは、ほぼ間違いありません。ただ、まだ過去の「デフレマインド」に縛られている人が多いのも、また現実です。「日経平均3万円が天井だ」と考えて空売りしていた人たちは「踏み上がる」(損失覚悟の買い戻し)可能性があります。

 少し前、円安によって輸入インフレが起こり、物価が上がり始めた際には「悪い円安」という言葉が流行語のようになりましたが、今やそういう状況ではありません。

 今の円安によって、日本の製造業、特に半導体関連などが蘇ってきました。それだけでなく、インバウンド(訪日外国人観光客)も急回復しています。中国からの観光客がまだ来ていないことを考えると、さらなる伸びしろがあり得ます。

 これらの賃上げインフレと大円安によって、新たな株高が始まっています。21年2月16日に3万714円で一番天井、9月14日に3万795円という二番天井を突破してきているのです。

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