2023-12-14

奈須田洋平・アト社長CEOの 「人生の転機」【大学生時代のアルバイト】

奈須田洋平・アト社長CEO

ビジネスの成功の肝はシステム開発だ─。こんなことを感じさせてくれたのが大学時代にアルバイトをしたポスティングの会社での経験でした。

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 中学2年生のときに父が他界し、母と姉の3人で暮らしていかなければならなかったので、男である自分が家族を支えなければならないと思っていました。早稲田大学法学部に入り、友人からの紹介で始めたのがチラシをポストに投函するポスティングのバイトだったのです。

 1990年代、当時のポスティングはまだ紙がベースで、配布先や給与の計算などは全て手作業。人が何時間もかけてやる時代でした。そんな中で、私が勤めた会社の経営者は進取に富んだ方で、いち早く最先端のデータベースソフトである「DBPro」を導入し、効率的な経営を行っていたのです。

「人海戦術と言われたポスティングもシステムとうまく融合させると、こんなに変わるのか」と目を見張りました。DBProの導入後、報告書をはじめ、受注管理や配布管理、経理などが、あっという間にできるようになったからです。

 バイトのときはポスティングが体力的に厳しくて辞めようとしたのですが、社長からは「他の仕事もやってみないか」と言われ、営業や管理、システム開発、会計業務などの仕事も任されました。リサイクルショップも運営していたので、出店計画に携わる機会もありました。

 仕事が楽しくて大学も中退。4年後には取締役にもならせていただきました。同時に、ポスティングの可能性を感じた私はもっとポスティングの価値を高めたいと考えて27歳で起業しました。

 誰にでも隙間時間に自由に配布する仕事ができて、一瞬で消えてしまうデジタル広告とは異なり、紙の媒体として人の目に留まり続けるポスティング媒体の価値を高めるため、人とシステムとのバランスをとった独自のビジネスモデルを追求しています。

 ポスティングは必ず自宅のポストにリーチできる数少ないメディアです。ヒト・モノ・カネ・情報という経営資源とうまく組み合わせることで、様々なクライアントのニーズに合った提案ができると思っています。

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