「共創価値の創出」を!
─ 今は世界が混沌としていて、予測のつかない時代と言われます。こうした環境激変の中を、三菱商事はどういうスタンスで生き抜くのか。
中西 わたしが就任当初から言っているのは、共創価値の創出ということで、共に価値をつくると。正式には、「中期経営戦略2024」の中で、『MC Shared Value(共創価値)の創出』と言っているんですね。
究極は、グループの総合力強化による社会課題の解決を通じて、共創価値を継続的に創出することを目指しますと。まさに三菱商事を、いろいろな社会課題の解決策、ソリューションを提供できる会社にしたい。そういう意味で、共創価値の創出と申し上げています。
それを実現するためには、われわれ自身が変わらなければいけない。自分が社長の時にそうした変革をやりたいなと思っているところです。
─ 中西さんは、あまり商社という言葉を使いたくないと言っていますね。これから三菱商事はどういう会社になると言えますか。
中西 最近言っているのは、「バリュー・クリエイター」です。先ほど申し上げました『MC Shared Value(共創価値)』というのは、造語です。
MCはMitsubishi Corporation。また、共創価値の創出を英語で表すと、Create Shared Value、すなわちCSVであると。だから、CをかけてMCSVなんです。この価値を創出していきたいと考えています。要は、三菱商事がこれまで培ってきた多様性や総合力を掛け合わせるということです。
イノベーションという言葉は、日本語でいうと「新結合」です。今後は、われわれの持っている事業を掛け合わせて新しいものをつくる。これを新結合ということで、イノベーションを起こしたいと思っています。