2024-04-18

「人はつながる動機を求めている!」MIXI・木村弘毅の事業ポートフォリオ変革論

木村弘毅・MIXI社長CEO

スポーツには大きな可能性がある!


 3月10日、フィリピンで開かれた東アジアスーパーリーグ(EASL)で初優勝した男子プロバスケットボールチームの千葉ジェッツ。帰国直後の同16日には天皇杯を制覇、2大会連続となる優勝を果たした。

 今やリーグ屈指の人気球団となった千葉ジェッツの親会社はMIXI。2019年からジェッツの経営に参画し、21年からはサッカー・JリーグのFC東京が傘下入り。2023年シーズンはクラブ史上最高の売上高を達成、来場者数は年間約50万人(前年比約3割増)と、今や浦和レッズに次ぐ人気球団だ。

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「スポーツには大きな可能性がある。例えば、生まれた時から巨人ファンや阪神ファンと言う人がいるけど、あれは大抵、父親がずっとテレビで巨人を応援しているから、知らないうちに自分も巨人ファンになっていたと。特に最近はテレビでスポーツ放映をしなくなっているので、(持分法適用会社の)英国風パブ『ハブ』とも連携しながら仲間や家族が一緒に観るような場をつくるようにしたい」

 MIXI社長の木村弘毅氏はこう語る。

 IT企業のMIXIがスポーツ事業に力を入れている。

 近年はディー・エヌ・エー(DeNA)がプロ野球『横浜ベイスターズ』やプロバスケットボール『川崎ブレイブサンダース』を、サイバーエージェントがサッカー・Jリーグの『FC町田ゼルビア』を運営しており、IT企業によるスポーツ事業の参入が増えつつある。

 ゲーム事業は当たり外れが多く、開発費も相当なもの。そのため、有形資産であるスポーツチームを人気球団に押し上げることができれば、安定した収益を得ることができるからだ。

 また、MIXIは公営競技事業にも参入。競輪やオートレースのインターネット投票ができる『TIPSTAR』の運営や、最近では地方自治体からの委託で、玉野競輪場(岡山県)や高松競輪場(香川県)の運営も手掛けるようになった。

 同社の売上高(24年3月期は1460億円の見通し)のうち、現在は約7割がゲームで、すでにスポーツ事業は約2割を占めるまでに成長している。

「最近は競輪場の再生案件をいくつかいただいていて、施設が新しくなると来る人も変わってくるし、家族で楽しめるような仕組みも入れていく。競輪場の新たな価値創造や地域活性化に貢献していきたいし、『TIPSTAR』は自分の買った車券だけでなく、友人が買った車券まで分かるので、ゲーム同様に盛り上がることが出来る」(木村氏)

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