2024-10-21

ハンモック社長・若山大典「『多層防御』のセキュリティ、セールスDXを強みに企業のデジタル化を支援していく」

若山大典・ハンモック社長




IT資産管理、「セールスDX」を強みに

 ─ 今、デジタル化に伴って、企業は情報管理などセキュリティに課題を抱えていますね。

 若山 ええ。当社の「AssetView」は情報漏洩対策に長けたセキュリティ機能を持っています。PCの操作ログを取ることで、社内からの情報漏洩を防ぎます。例えば社員が顧客名簿をUSBメモリにコピーして持ち出して売ってしまうという事例がありますが、こうしたものも防止します。

 情報漏洩によって企業の信頼性に疑義が生じ、業績が悪化するケースがあるということを企業はわかっていますから、大企業、中堅企業問わず、皆さん積極的に対策を取られています。

 ─ セキュリティを提供している企業は多くあると思いますが、その中でハンモックのシステムの強みは?

 若山 重要視しているのは「多層防御」です。1つの防御策だけでなく、二の矢、三の矢と、様々な視点で対策を取ることが本当の意味でセキュリティを強化することになるという考え方です。これが当社の「AssetView」の他社にない特長だと思っています。

 例えば、先程のPCの操作ログにしても、単に情報を取るだけでなく、暗号化しています。また、ウイルス対策ソフトも自社製品として提供しています。

 競合他社は、PCのログを取る、暗号化する、ウイルス対策をするといった機能を協力会社と一緒に提案していますが、我々は1つの商品として多面的な対策を提案できることが強みになっています。大企業だけでなく、対策にそこまで資金をかけられないという中堅企業も含めて導入していただいており、強い競争力につながっています。

 それ以外にも、私が取締役の時代から様々な新規事業を立ち上げてきました。もちろん、うまくいかずにやめた事業もありましたが、その中で今、当社で最も伸びている事業を生み出すことができました。

 それが「セールスDX」事業です。営業を強くし売上をアップするための名刺管理・営業支援ツール「ホットプロファイル」がヒットし、今最も成長しています。この事業によって、我々は上場することができたと言っても過言ではありません。

 ─ 失敗にめげずにチャレンジしたことで、成長する新規事業を生み出すことができたと。

 若山 そうです。失敗もありましたが、とにかくチャレンジをし続けてきました。その意味で社内にはチャレンジすることの重要性を訴えています。

 多くの場合、みんな「失敗すると怒られる」、「評価が下がる」といって失敗を恐れるんです。そうではなく、失敗することで経験ができるのだと思うんです。楽な道を選ばす、ガムシャラにチャレンジして欲しいということを常に言っています。

 ─ 社内で伸びている社員はどういうタイプですか。

 若山 通常の考え方ではなく、「こうやったらどうなるだろう?」と常に考えている人です。そう考えていると、自ずと行動に移っていくわけです。言われたことだけをやっているのではなく、考えて行動できる人が伸びていますね。

 ─ そうした積極的にチャレンジする、行動する人材を報酬含め、どう評価していますか。

 若山 高く評価しており、当社の評価制度に則った上で、非常に速いスピードで昇格をしています。例えば入社5年目で次長になっている社員もいます。当社では中途採用者でも一兵卒からスタートしていますが、チャレンジ精神と業績次第で活躍ができます。

 今回、上場をしたのも、上場によって会社の認知度を上げて、多くのチャレンジしたい人達に入ってきてもらいたいという思いがあったからです。

 ─ 社長として、強みのある製品を生み出すために意識していることは?

 若山 当社の強みは、先程お話した製品に表れているように、お客様のニーズをいち早くキャッチして、それをいち早く製品に転換していくスピードです。私自身も、常にその感覚を持っていたいので、営業担当者と一緒に現場に出ているんです。

 お客様の他、協力会社にも訪問するなど、重要なお取引先には常に行くようにしています。その機会に、お客様のニーズを感じ取るんです。そうして私自身が得たニーズを現場と共有して、担当者達と議論をしています。

 そして当然、私だけでなく、そうしたお客様のニーズをキャッチするという文化は現場にも根付いています。営業担当者が集めてくるニーズを、商品企画担当者がしっかりまとめて製品開発をし、すぐにプロトタイプを出す。そのサイクルのスピードが速いことが、当社の強みになっています。

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