2021-09-07

【厚生労働省】東京都と連名でコロナ病床確保を要請

厚生労働省と東京都は、改正感染症法に基づき、都内全ての医療機関と医師・看護師を養成している学校に対し、新型コロナウイルスの患者受け入れと専用病床の確保、医療従事者の派遣を連名で要請した。小池百合子都知事は「通常医療の制限も視野に入れ、最大の危機を乗り越えるため、国と都、医療機関が強固に連携して総力戦で(コロナと)戦う」と強調した。

 同法に基づく要請はこれまで大阪府などの自治体が行ったことはあるが、国が実施するのは初めて。正当な理由なく応じなかった場合、厚労省や都が医療機関などに勧告したり、名称を公表したりできる。

 要請は、両者が連名で通知を発出した。既にコロナ患者を受け入れている都内の医療機関約400カ所に対し、最大限の患者受け入れやさらなる病床確保などを求める内容だ。

 受け入れていない約250カ所の病院に加え、約1万3500カ所の診療所、約100カ所の大学医学部・看護師養成学校に対しては、人手の足りない受け入れ医療機関や宿泊療養施設への医療従事者の派遣を求めた。診療所や大学にはワクチン接種にも協力してもらう。

 都内の確保病床は6406床で、このうちすぐに使用可能な病床は5967床。入院患者は8月23日時点で4034人、病床使用率は63・0%となっている。

 改正感染症法は、コロナへの対策強化のため2月に施行された。4月と8月に要請を行った大阪府の担当者は「医療従事者の不足やゾーニングなどの問題で病床が確保できない医療機関が多かった。そのような機関は『正当な理由がある』と考える」として、確保に応じない医療機関の名称は公表していない。

 5月に要請した札幌市の担当者は「医療機関と信頼関係を築き、了解を得ながら確保を進めていくのが大事だ。罰則をちらつかせても仕方がないので、最初から名称公表はしないつもりで要請を出した」と話した。

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