2021-09-24

【NEC】復活は本物か? 世界一の認証技術を主軸に海外企業との連携相次ぐ

国立競技場などで顔認証システムを利用した際の様子


いかに相乗効果を生み出すか


 今年5月に2025年度を最終年度とする新たな中期経営計画を発表したNEC。今後の成長分野を、「デジタル政府(行政のデジタル化)、ファイナンス、5G(次世代通信規格)、DX」と位置づけ、様々な施策を打ち出している。

 DX化の波が急速に日本を襲う中、NECは2019年にはデンマークの政府機関向けシステム開発を手掛けるKMDを約1300億円で買収した他、2020年にはスイスの金融ソフトウェア企業・アバロックを2300億円で買収した。

 また、ここへきて米アマゾンの子会社でクラウド事業を手掛けるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)やマイクロソフトなどと戦略的パートナーシップを相次ぎ締結。先行する海外勢の知見を活用し、グローバル市場に打って出ようとしている。

 4月から社長に就任したNEC社長兼CEO(最高経営責任者)の森田隆之氏は直近まで、副社長CFO(最高財務責任者)として、ほぼ全ての海外企業の買収案件に関わってきた。それだけに、森田氏には一連の買収や協業を通じた成果や相乗効果を生み出すことが求められるだろう。

 2001年3月期に5兆4097億円あった売上高も、半導体やパソコン、携帯電話などの事業を切り離し、2022年3月期は3兆円となる見通し。一連の構造改革を終え、反転攻勢への下地をつくってきた今、NECは成長軌道に戻ることはできるのか。新社長・森田氏の手腕が問われている。

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