2022-02-24

ルネサンス会長・斎藤敏一の「フィットネスを通じて地域にコミュニティを!」



フィットネスクラブにスクール制を導入



 

 ―― なるほど。フィットネスクラブにスクール制を。

 斎藤 今まではクラブのスタジオでストレッチやヨガ、エアロビクスなどを(コロナ禍の今は人数制限しておりますが)、30~70人くらいの会員さんたちが一緒にやっていたわけですね。もちろん、その中で顔見知りになる方はいらっしゃると思いますが、必ずしも皆の顔や名前を知っているわけではありません。ですから、仲間意識もそんなに多くなかったと思うんです。

 そういうことで、昨年6月から実験的に少人数のスクール制を取り入れました。すると、われわれの想像よりも、はるかに大勢の人たちがそこに参加するようになりました。

 ―― 少人数というのは何人くらいですか。

 斎藤 基本は8人1チームです。初心者は3カ月くらいは4人制にして、基本をしっかり教えてから、次のステップから8人制に移行するわけです。

 ここでは、スクール開始前にホワイトボードにインストラクターと会員さんの名前かニックネームを書いておくんです。そうすると、多くても8人ですから、週1回だとしても、月に4回も顔を合わせれば、だいたいお互いのことを覚えるようになりますよね。そうやってコミュニティができてくるんです。

 これまでのテニススクールやスイミングスクールのように、1人のコーチが10数人の会員さんを教えるというのは、日本だけのスタイルです。欧米では一対一とか、1人のコーチが2~3人の会員さんにコーチをするというのが普通です。

 インストラクターというのは、命令する人ではなく、導く人なんです。ですから、ゆるいリーダーとでも言うのかな、そういう人の周りに人が集まって、コミュニケーションを起こしていく。そうやってお互いが親しくなり、名前を覚えるようになると、今度は会員さんからインストラクターに質問をしやすくなるし、声をかけやすくなる。

 考えてみれば、昔はシニアのサロンと言えば病院だったわけですよ。ところが、今はフィットネスクラブがサロンになっている。病院は病気になってから行く場所ですが、フィットネスクラブは健康になる場所。コロナ禍でわれわれは、そのことを再認識しました。

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