―― 戦力バランスに差がついた時ですね。
小野寺 今回、ロシアがなぜウクライナに侵攻したかというと、ウクライナは弱いと思ったからです。2014年にロシアがクリミア半島に侵攻した時に、ロシアはほぼ無血でクリミアを占領できました。また、昨年、米バイデン大統領はウクライナに対して、武力をもって守ることはしないと。NATO(北大西洋条約機構)もウクライナは加盟国ではないので、武力行使はしないと宣言しました。
そうなると、プーチン大統領にすれば、ウクライナは弱いし、一緒に守ってくれる仲間もいないんだなと。それで、ロシアは侵攻を決めたと思うんです。
われわれは日本という国を、これからも平和で豊かな国であるために何をしなければならないか。そう考えたら、きちんとバランスを取るために日本も一定の能力をつけるべきですし、仲間を増やすということで、同盟国のアメリカだけでなく、例えば、日米豪印の4カ国の枠組みである「Quad(クアッド)」やイギリスなどと組んで仲間を増やしていく必要がある。これは戦争を起こさないためです。
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