2022-08-26

【私の帝国ホテル史】帝国ホテル・小林哲也元社長の「帝国ホテルは誕生から既にブランド。さすがと言われるホテルづくりを」



人は驕ってはならない

 そして、何よりも重要なことがあります。ホテルマンである前に、まずは1人の人間です。人間力を鍛えることがとても大切になります。明治期の文学者・内村鑑三は「興国とは謙のたまものであって、亡国は傲慢の結果である」という言葉を残しています。傲慢や驕りは個人も潰すし、会社も潰す。ひいては国をも潰してしまう。だからこそ、人は驕ってはなりません。

 これからの帝国ホテルを支えてくれる次世代の人たちには、この考え方をしっかり守って、2024年から36年にかけて実施予定の「帝国ホテル 東京」の建て替えを迎えて欲しいと願っているところです。

 53年のホテルマン人生を振り返り、本当に楽しかった。まさにホテルマンは、わたしにとって天職だったと確信しています。セレンディピティ――。今を生きる若い人たちには、是非とも数奇な出会いを大切にしながら、目の前の仕事に精一杯取り組み、悔いのない人生を過ごしてもらいたいと思っています。(了)

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