2022-09-27

【株価はどう動く?】9月のFOMCが株価の分岐点、日本は円安を追い風にできるか



 そうなると円安が続きます。140円を突破し、9月上旬には1週間で5円の円安となるなど相場の投機的動きによってテンポを早めています。 

 以前も指摘しましたが、1998年8月の安値、147円に接近する動きになっています。この水準で止まらなければ、変動相場制の出発点である200円台に向かって円安が続くことになります。日本銀行が金融緩和を継続、欧米の中央銀行が引き締めに動いていますから、当分円安相場が続きます。 

 一方、米国株は今年1月5日に40年ぶりに高値を付けた後に下落し、一番底を模索している状況です。一番底が入るまでは上がっては売られを繰り返して、次第に安値を切り下げていくことになります。 

 6月17日に付けた直近の安値2万9653ドル近辺、つまり、3万ドル割れくらいで当面の底入れをしない場合はコロナショックの安値、1万8591ドルに向けて下落するという、かなり厳しい展開になります。 

 そうなると日本の株も下がりますが、そこはむしろ絶好の買いチャンスになる可能性があります。連れ安といっても日本の株が下がる理由がないからです。 

 米国は景気が良すぎることもあってインフレになっており、FRBはそれを押さえて、むしろ不況にしようとしているわけです。日本は日銀などが好況にしようと政策を打っています。 

 しかも、日本では「悪い円安」として報じられていますが、円安は日本経済にとって追い風です。30年続いたデフレを終わらせる可能性がありますし、輸出企業のみならず、海外で事業展開をしている企業はドルで利益を得ることができます。ドル建て資産を多く保有する生損保など機関投資家の株が人気なのも、そのためです。 

 個人投資家にもドル資産を持つ動きが広がっています。新生銀行の外貨定期預金が6割増というのは、その表れです。ここで岸田政権が「貯蓄から資産形成へ」の流れを本格化できるかが問われます。 

 ただ、米国の金融引き締めで世界経済は景気後退に陥る可能性があり、それによる株価下落もあり得ますから、リスクとして捉えていく必要があります。

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