2022-10-12

新事業開発の不安感を期待感に変えろ! 村田製作所の「ユニークな人材育成術」

『ηプロジェクト』の会議風景


創業者の思いを愚直に守っていくことが…


 村田製作所の2023年3月期の連結業績は、売上高1兆9300億円(前年同期比6・5%増)、営業利益4400億円(同3・8%増)と増収増益の見通し。このうち、現在は売上の約4割が通信向け、約2割がモビリティ向けを占める。

 同社は時代の変化によって成長分野を転換してきた。1944年の創業以来、その時代に求められた電子部品を開発。ラジオやテレビ、携帯電話、パソコンへと用途を拡大してきた。

 2010年代前半はスマートフォンを中心とした通信向け売上が収益の柱だったが、現在は自動車を基盤市場と位置付けて成長戦略を実行。カーエレクトロニクス向けの売上構成割合を拡大させることで通信向けの依存度を下げ、収益源を多様化できていることが同社の強みになっている。

 同社が現在強化しているのが、モビリティ、ウェルネス、環境の3分野。今後はこれら3分野を中心に、新たな事業を創造しようとしている。

「秘訣なんて何もない。創業者の村田昭・名誉会長も仰っていたけど、お客様の要望にしっかり応えているか。『技術を錬磨し 科学的管理を実践し 独自の製品を供給して 文化の発展に貢献し……』という社是を守ることが大切で、創業者の思いを愚直に守っていくことが世界でトップシェアをとっていく秘訣なのだろう」と語る安藤氏。

 足元の業績が好調な間に、いかに次の手を打っていくか。創業の原点を忘れず、新たな市場掘り起こしを図る同社である。

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