2022-12-15

【オカモト】岡本邦彦社長の「 ゴムやプラスチックを『薄く作る』技術で生活密着の製品を」

 ─ 具体的にどういった強みになっているのですか。

 岡本 例えば、生活用品の新商品開発一つにしても、産業材の技術のエッセンスや開発のアイデアを投入できます。この多様性は非常に当社の強みです。また、全ての業界が好調ということは少ないのですが、良い業界もあれば悪い業界もあり、それが5年サイクルぐらいで利益を出しています。収益をきちんと底支えできているということが非常に強みだと思います。

 ─ 創業者の思想は今後も受け継いでいくことが何よりも重要だということですね。

 岡本 はい。創業者は「儲からないものが一番儲かる」という言葉も残しています。これは儲からなくなれば誰もやらなくなる。儲からなくなれば創意工夫によって儲かるように持って行こうとする。粘り腰で事業を続けることが利益につながるという意味になります。

 当社のポートフォリオで言えば、この創業者の思想が色濃く残っていますし、私自身もそういうマーケットへの投資は十分やっていきたいと思っています。人がやめていくということは、皆が儲からないと思っているわけですが、それも最後の1人になれば儲けを独占できると。極端に言えばそういうことです。

 ─ そういった精神を具現化してきたことで好不況に強い経営体質を構築しています。営業利益率も高いですね。

 岡本 いえ、まだまだです(笑)。ただ、資産規模で1000億円を超えてきましたので、売上高でも1000億円以上、営業利益でも100億円以上を安定して出すことが目標になります。

 ─ 事業規模としてはBtoB(企業向け)の方が大きいですが、BtoC(消費者向け)も展開していますね。

 岡本 よく「両方の事業を展開していて難しくないですか?」と聞かれたりするのですが、私個人としてはお客様がどうであっても、商売の原理原則というのは、そんなに変わらないと思っています。しっかり自己研鑽し、技術力を磨き、それを市場のニーズのある商品に投入していく。これは、どんな商売でも同じだと思っています。

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