2023-03-10

【株価はどう動く?】大企業業績の好調、賃上げ、円安の3条件が揃えば日本は「脱デフレ」へ




日銀・植田新総裁で金融政策はどうなる?

 そして4月8日に登場する予定の日本銀行新総裁の植田和男氏の下、デフレの象徴だった「マイナス金利」、「イールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)」を修正することが、日本経済、金融市場が正常化する道になります。

 マイナス金利、YCCをやめることは、表面的には金融緩和が終わって、引き締め、縮小に移るように見えますから、一時的に株価が下落するかもしれませんが、これは日本経済、金融市場が正常化に向かう過程における「痛み」です。

 この痛みを乗り越えていく脱デフレ時代が23年から始まることになります。それを株式市場も、政治家も、国民も認識するようになるのではないかと見ています。デフレやゼロ金利、マイナス金利が異常なのですから。

 日本は今後、デフレを脱して物価目標2%を達成する可能性が出てきますが、欧米はインフレが進み過ぎて抑えるのに躍起ですから、日本とは全く置かれている状況が違います。

 20年から始まった、コロナ対策のための全世界的な大金融緩和は終わっていきますが、日本経済は最も遅いランナーで、インフレどころか、これからデフレを脱しようとしていますから、欧米がインフレ対策で金利を上げている間に、日本経済は脱デフレに向かいます。日本の金利も今後上がるかもしれませんが、1%がやっとなのではないかと見ています。

 日本の長期金利が1%になると、デフレを脱却したという証明になります。日銀総裁の黒田東彦氏は23年1月20日、「ダボス会議」のパネル討論で「2%の物価目標は持続的かつ安定的に達成されていない。それが唯一の心残りだ」と語ったと報道されていますが、新総裁の植田氏は、この言葉を引き継ぐことになるでしょう。

 消費者物価指数(CPI)が継続的に2%を上回るような経済状況にしようという金融政策に、時間をかけて取り組むはずです。10年間続いた金融政策を修正する上で、植田氏は適任ではないかと思います。

 植田氏は国際的にも認められている経済学者で、信頼の置ける人物だと見られますが、政策については蓋を開けてみなければわかりません。中立的な政策を取るのではないかというのは衆目の一致するところだと思います。手堅い政策で物価目標2%を目指すのではないかと思います。

 日本の株価は第1四半期、あるいは近く底入れし、脱デフレを日本の社会全体が認識した時から上昇を始めることになります。早ければ第2四半期、遅くとも第3四半期には、日経平均は3万円台を目指す展開になるものと予想しています。

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