2023-04-12

【浅草六区に新ホテル】ヒューリックホテルマネジメント・髙橋則孝社長 「特徴のあるホテルしか生き残れない!」

髙橋則孝・ヒューリックホテルマネジメント社長

「今後は特徴のあるホテルしか生き残れない。不動産会社のホテル会社という強みを生かし、顧客セグメントに基づいた顧客ニーズを的確に掴んでいく」

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 ヒューリックは会長の西浦三郎氏が「3K(高齢者・健康、観光、環境)ビジネス」をスローガンに掲げ、観光ビジネスをスタート。2019年に日本ビューホテルを子会社化し、20年に組織改編。ヒューリックホテルマネジメントにグループ全体の観光ビジネス機能を集約、開発と経営・運営を一体化させた。

 現在は28ホテル、13旅館を稼働・開発中。個人客主体の「ゲートホテル」、高級旅館「ふふ」、個人・団体客主体の「ビューホテル」、そして「グランドニッコー台場」など他ホテルへの投資の4つの柱がある。

 同社のオフィスビルの立地同様、ホテルや旅館の立地にも特徴がある。ホテルは銀座などの東京都心や京都、大阪、あるいはディズニーリゾートなど観光の一等地に厳選。旅館も都心から2時間圏内の温泉地に絞っている。

 3月18日にはインバウンドを視野に入れた「浅草ビューホテル アネックス 六区」が開業。浅草六区は昭和初期から映画館や寄席・劇場が立ち並び、東京随一の繁華街。今でも日本の伝統文化が色濃く残る。

「江戸文化を発信する賑やかで奥深い地区。既に5月以降も予約が入っているが、過半数はインバウンドのお客様」

 和の伝統文化に触れられる体験型ホテルとして、1階のレストランには、建物所有者の松竹の協力の下、旧歌舞伎座で使用していた檜舞台を移築。東京屈指の花柳界「浅草花街」で活躍する浅草芸者の舞を観覧できるほか、無声映画と活弁士の掛け合い、邦楽演奏やサイレントフィルムの上映などを予定する。ホテル事業では後発組となるだけに、尖った特徴を打ち出していく。

 旧富士銀行では国際企画部や法人企画部などを歩む。もともと「旅行好き」なこともあり、銀行マンから観光ビジネスへの転身にも嬉々として取り組んでいる。「観光業は人に夢を与えることができる」とコロナ禍でも笑顔は絶えない。

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