2021-03-01

カラオケ店がシェアオフィスに早変わり! なぜ紳士服のAOKIがシェアハウスに参入するのか?

シェアオフィス1号店となる「たまプラーザ店」


時代の変化と共に新業態を開発


 AOKIは、1958年に創業者の青木拡憲(現会長)氏が長野市で個人商店『洋服の青木』を開業したのが始まり。その後、全国出店を重ね、高品質・低価格のスーツを販売。日本の高度経済成長と共に成長してきた。

 同社が新業態の開発を進めるようになったのは、バブルが崩壊した後の20年ほど前から。

 1998年にカラオケと結婚式場、2003年は複合カフェ、04年にはトータルコーディネートショップ『ORIHICA(オリヒカ)』、19年には24時間フィットネスジム『FiT24』を相次ぎ開業。そして今回のシェアオフィス参入など、時代の変化と共に新業態を開発。危機を乗り越えてきたのである。

 新業態の開発には、創業者・青木拡憲氏の強い思いがある。

 青木氏は「様々な業態を持つポートフォリオ経営はリスクヘッジ、優秀人財の発掘・教育の実践という意味合いがある。全く違う業態を持つことで、影響を緩和し、他のどこかで補うことができる」というのが持論。

 この基になっているのが、明治期の政治家・後藤新平の『財を遺すは下 事業を遺すは中 人を遺すは上なり。されど財無くんば事業保ち難く 事業無くんば人育ち難し』という言葉。

 青木氏はこの言葉にヒントを得て、「社長になったつもりで仕事をすることで人は育つ。どんどん事業をつくりだすことによって、グループの〝人財〟が本当に社長になる。社長業をリアルに実践することで人が育つ」と考えた。これが同社のポートフォリオ経営の肝で、優秀な人財を育成することにつながるという。

 矢継ぎ早に進む事業ポートフォリオ改革。AOKIグループの生き残りをかけた挑戦が続いている。

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