2023-09-22

プロジェクトカンパニー社長・土井悠之介「DXは人手不足の解決策の一つになり得る」

土井悠之介・プロジェクトカンパニー社長




攻めと守り両方のDXが必要



 ─ コロナ禍で日本のDXも進みましたが、一方で、まだまだだという意見もあります。ましてや、日本はあらゆる産業で人手不足が顕著になっていて、DXは必要だと思うんですが、日本のDX改革の現状を土井さんはどのように考えていますか。

 土井 日本の人手不足を根本的に解決するのは難しいですが、DXが解決策の一つになり得るのは事実だと思います。

 ただ、わたしはDXというのは、もう少し広義に捉える必要があると思っていまして、例えば、今やっている業務を単純にデジタル化します、自動化しまうという話だけであれば、やった方がいいです。

 ところが、それは今まで人間がやってきた仕事を奪うことにもなります。やはり、人がしなくて良くなった分、人はより生産的な場所に配置して、そこでまた新たな価値を発揮できるようなポジティブなサイクルを回していくことが重要だと思いますし、それがDXの本質的な部分だと思いますので、人は今までやりきれなかった、より創造的な仕事に時間を割いていくことが大事なんだと思います。

 ─ なるほど。単純に人の仕事を奪うのではなく。

 土井 はい。やはりDX化することによって会社単位で見たら効率化されたとしても、人の仕事を奪って、路頭に迷う人が増えては意味がないです。だから、そういう人たちをいかに引き上げて別の活躍の場所をつくっていくかが大事であり、そこまでを含めたDX化ができるのであれば、人手不足の真の解決の一歩なのかなと思います。

 よくDXには、攻めのDXと守りのDXの二つがあると言われます。守りというのは業務効率化のためのDXで、攻めというのは新たな付加価値を生み出すためのDXです。わたしはこの両方が大事だと思っていて、守りだけでも攻めだけでもダメで、両方を同時に実現していくことが大事だと考えています。

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