2024-02-07

《日本最大級の石油・天然ガス開発企業》INPEX・上田隆之の「天然ガスは移行期の重要なエネルギー」

上田隆之・INPEX社長


水素・アンモニアのファーストムーバーに



 冒頭で触れたように、ウクライナやイスラエル・ハマス2つの戦争によって、エネルギー業界を取り巻く環境は一変した。

 ウクライナ戦争が始まって以降、フランスや英国など、欧州は原子力回帰を宣言。米国では、石油メジャーのエクソンモービルがシェール大手パイオニア・ナチュラル・リソーシズを約600億ドル(約8.8兆円)で、シェブロンが石油会社ヘスを530億ドル(約7.8兆円)で買収すると、相次ぎ発表。中長期的な脱炭素への移行は必須だが、各国とも足元のエネルギー確保に奔走している。

 脱炭素を目指すのは当然だが、化石燃料はCO2を排出し、再エネは天候に左右されやすく、原子力は放射性廃棄物処理問題が付きまとう。脱炭素と安定供給の両立をいかに図るかは、世界のエネルギー業界にとって最大の課題だ。

 そうした中、無資源国・日本にとって、CO2削減に貢献できる天然ガスの果たす役割はまだまだ大きく、INPEXに求められる責任や役割も大きい。

「天然ガスの需要は一定期間続くと思う。天然ガスは安定供給が重要なので、〝ラストリゾート(最後の手段)〟として最後に皆からあてにされる会社になりたいし、水素・アンモニアでは〝ファーストムーバー(先行者)〟として最先端をいく会社になりたい」と語る上田氏。

 脱炭素とエネルギーの安定供給の両立をいかに図っていくか。上田氏の挑戦は続く。

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