2021-12-11

【株価はどう動く?菅下清廣氏に聞く】米中対立で「漁夫の利」、難民問題の重荷のない日本が見直される展開に

投資家からは岸田政権に厳しい声


 日本の株価の行方も左右する政治の動向ですが、自民党幹事長に茂木敏充氏、外務大臣に林芳正氏が就きました。岸田文雄首相が、この「二枚看板」、将棋で言う「飛車角」の力をいかに生かすかが重要になってきます。

 岸田政権の「第一手」となるのが、11月19日発表の経済政策でしたが、この政策がもう一つパッとしません。全体的に総花的で具体性に欠けます。おまけに再び金融所得課税を持ち出しているので、株価暴落となっています。早くも「岸田、辞めて欲しい」という声が投資家から出始めています。

 また、18歳以下を対象とする10万円相当の給付を巡っては、所得制限などを巡って議論が起き、せっかくお金をバラまくのにも関わらず、支持率上昇にはつながっていません。

 岸田政権としては、2022年の参議院議員選挙を勝ち抜かなければなりません。ですから菅義偉政権から引き継いでいるデジタル革命、グリーン革命を推進するような政策を打ち出していかないと、岸田政権は短命に終わりかねません。ましてや、ここで増税論が出てくるようでは、来年の参議院選挙で大敗することになるでしょう。

 特に、要となるはずだった甘利明氏の幹事長辞任は痛手です。そして財務省出身で増税派の宮沢洋一・自民党税制調査会長では、株価は上がりません。

 また、日本の株価が上がらない理由として、日本企業全体に生産性が低いという大きな課題があります。

 この状況を改善するには、DX化しかありません。これは政・官・民一体となって、デジタル産業革命を進める必要があります。

 11月19日発表の経済政策が物足りなかったとしても、今後、参院選に向けて次々と政策を打っていく必要がありますから、その政策の波に乗って支持率も上がり、株価もジワジワと上がっていくというのが楽観的な見通しですが。

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