2022-01-27

【政界】岸田政権を待ち受ける2022年の政局 長期政権へ「最大の関門」は7月の参院選

イラスト・山田紳



衆参ねじれの危機感

 参院は18年の改正公職選挙法により埼玉選挙区が1増、比例代表が2増され、総定数が248となる。今回は改選定数124に加え、非改選の欠員1を補うため、125議席を与野党が争う。

 岸田政権は勝敗ラインを「与党で過半数」としており、63議席となる。参院全体の過半数を維持するには、自公の非改選が計68議席なので、4月の石川選挙区補選を考慮しなければ、57議席が必要になる。

 57議席を割り込めば、参院では野党が多数となる「衆参ねじれ」国会となる。岸田政権が続こうが、新たな「ポスト岸田」政権がでようが、与党にとって相当厳しい政権運営を強いられることになる。

 そうした参院選の帰趨を決するのが32ある1人区とされる。野党第1党の立憲民主党は衆参ねじれを起こし、低迷する党勢の立て直しを狙う。1人区で複数の野党系候補者が票を奪い合うことを避けるため、「野党共闘」による候補者の一本化を進めたい考えだ。

 ただ、立憲民主党は先の衆院選で共産党と共闘し、野党系の候補者を213選挙区で一本化したものの惨敗した。衆院選後に代表に就いた泉健太は「立共」共闘の在り方を見直す方針だが、共産党は引き続き政権を奪取した際の「限定的な閣外協力」を維持する構えで、共闘の行方は見通せない。

 また、日本維新の会は衆院選で躍進した勢いのまま、「全国政党」への脱皮を目指しており、参院選では積極的に選挙区候補者を擁立する方針だ。国民民主党も立憲民主党などと距離を置き、独自路線で参院選に挑む。野党勢力の足並みはそろいそうにない。

 このため「衆参ねじれ」が起きる可能性は低いと見られるが、予断は許さない。しかも岸田にとっては、自民党内にも政局が流動化しかねない火種がくすぶる。

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