2022-06-10

『第一工業製薬』会長・坂本隆司が語る「化学の可能性」



 ―― なるほど。アナログ回帰であり、人間回帰だと。

 坂本 われわれは化学メーカーです。当然、化学業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)は進んでいきますが、化学の原点は錬金術と不老不死を追い求めたことです。つまり、人間の果てしない夢を追いかけているのが化学であり、だからこそ面白いと思います。

 今は環境や医学の問題など、世の中に様々な課題があって、その解決のためには化学がないとできません。それこそDXによって、21世紀の化学はさらに面白くできると思っていますので、わたしは化学業界に大きな可能性があると考えています。

 ―― 化学は大きな可能性に満ちていると。

 坂本 ええ。わたしはもともと銀行にいたからよく分かるんですが、原価計算というのは、銀行にいる人間には分からない世界です。要は、どうやって原料を確保して、商品にするかというのがモノの価値だとすれば、金融機関に本当の意味での価値創造はできません。それができるのが化学メーカーの魅力なのです。

 わたしの人生は銀行で終わっても良かったのかもしれませんが、こちらに来て、本当の価値創造とは何かということを知ることができたのは本当に大きいです。

続きは本誌で

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