2022-10-19

【「山下本気うどん」が女性に人気】川島賢・ガーデン社長が描く「これまでにない外食企業」の姿

川島賢・ガーデン社長

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コロナ前から会社を筋肉質に


 当社は家系ラーメン「壱角家」やうどん店「山下本気うどん」など、様々な飲食店を展開しています。外食産業はコロナ禍前から厳しい状況にありましたが、コロナ禍が追い打ちをかけた形になり、各社が効率化を急いできました。

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 我々はコロナ前から、オフィスフロアや本部人員の削減を進めてきました。実は3、4年前、事業規模拡大への思いが強すぎて、社内に無駄が多くなったことがありました。これをもう一度、筋肉質にしていこうと社内一丸で取り組み、利益が出る体制になったところでコロナ禍となったのです。ですから、安定した利益を確保することができ、やりたい仕事ができています。

 例えば「山下本気うどん」はこの2年余の間に、好立地への新規出店を進めてきました。これは当社が現預金を多く保有する経営を進めてきたからこそ可能になったことです。

 なぜ現預金を多く持つかといえば、当社がM&A(企業の合併・買収)を中心に成長してきたからです。M&Aはスピード勝負ですから、案件が出てきてから銀行に駆け込んでも遅いわけです。いい案件を取るためにも、現預金を必要以上に多く持つ必要があります。コロナ禍のような不測の事態でも、経営が安定するという効果もあります。

 当社の原点は、私が知人から紹介された不採算のカラオケボックス店を引き受けたことにあります。その後、カラオケボックス業界が寡占化していく中で事業を売却したわけですが、並行して飲食店の再生事業も手掛けていました。中でも収益性が高く、グローバル展開が視野に入るということで麺業態に注力してきました。

 また、「山下本気うどん」は再生案件ですが、お陰様で今、女子高生を始めとした若い女性の支持を集めています。最初は食べに来た芸能人の方々がSNSを通じて発信してくれたことで火が点きました。

 その後開発した「白い明太チーズクリームうどん」が味と同時に見た目がいいということで評判となり、現在に至ります。2022年3月には、北海道日本ハムファイターズの新庄剛志さんをブランドアンバサダーに起用させていただきました。

 この業態は「一等地」に出店することで付加価値を付ける戦略を取っています。これによって認知が進み、ブランディングができ、取材が入って、さらに認知が進むという好循環になっているのです。一等地に出店していることで安定した集客を得ることができ、柔軟な価格設定もできています。

5年後、 10年後に向け新たな業態の開発も


 当社は複数の飲食業態を持っていますが、今は利益率の高いラーメン、うどんに特に注力しています。さらに5年後、10年後に向けて、新たな業態を準備しなくてはならないと考えています。

 一般的に外食産業は収益性、労働環境が悪いことで知られますが、当社はそれを変えたいと考えています。収益性が高ければ、労働環境をよくすることも可能になります。上場も目指していますが、まずは上場外食企業の中で利益率トップとなることを今の目標・ビジョンにしています。そして、働く人に対していい労働環境、高い給与、チャンスを提供できる会社という、これまでの外食企業が実現できていない姿の企業になりたいと考えています。

 これによって、今まで外食企業に来なかったような人材を集め、日本の皆様に「こんな外食企業があるのか」と思っていただけるような姿になることが、私の目標です。

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