2023-02-09

東急不動産ホールディングス・西川弘典社長に直撃!再生可能エネルギーの事業拡大はどうなる?

西川弘典・東急不動産ホールディングス社長

「再生可能エネルギー事業は安定資産、収益資産になってきている」と話す西川氏。東急不動産ホールディングスは東京・渋谷再開発など不動産開発に加えて、発電事業者にも匹敵する規模の発電量を持つ再生可能エネルギー事業が新たな柱になりつつある。今、世界的に様々な不安材料が山積する中で、いかに会社の成長を実現するか。西川氏の考え方は─。

【あわせて読みたい】【「東急ハンズ」売却】なぜ、東急不動産ホールディングス・西川弘典社長は決断したのか?


混沌とした経済状況の中で…


 ─ コロナ禍に加えてロシアによるウクライナ侵攻、さらには欧米の利上げと、経済の先行きは混沌としています。現状をどう見ていますか。

 西川 2021年は主にコロナ禍に気をつける状況でしたが、22年にロシアのウクライナ侵攻が起きて以降、考えなければならないことが山のように増えました。

 金利についても、欧米にはすでにインフレ傾向がありましたが、これもロシアの侵攻などもあって急激なインフレ対策が行われるようになりました。23年も、こうした動きは大きく変わらないでしょうから、我々の事業に大きな影響を与えるような動きになるかについては、見定めていく必要があると思います。

 すでに工事代金や施設の運営経費には悪影響が出始めていますから注視していく必要があります。ただ、コロナに関する行動制限はなくなってきていますから、この部分はプラスに働くのではないかと見ています。

 ─ 人の移動が始まることで、これまで抑えられていた消費が出てくることが期待されていますね。

 西川 コロナ禍でマンションなど住宅需要が縮むと言われていましたが、逆に縮まず、期待通りの事業環境でした。そして、個人消費には期待しており、商業施設事業や観光事業にプラスになるだろうと見ています。

 ─ 欧米に比べて、日本はまだすぐに金利が上がる状況ではありませんが、円安によって物価が上がるなど、個人の住宅・マンション購入に及ぼす影響をどう見ていますか。

 西川 先日、首都圏マンションの平均価格がバブル経済時と同水準になったという報道がありました。中身をよく見ると、バブル時には神奈川・千葉・埼玉の平均価格、一方今は東京23区中心の平均価格です。それを同じと言えるかどうか。

 もう一つ、低金利と女性の社会進出によって支払い能力が上がっていることが、マンション需要を支えている面もあると思います。ですから、今後日本で金利がどの程度上がるのか。それによってマンション市場に大きな影響が出る可能性はゼロではありません。

 ただ、現状を見ると、欧米のような著しい物価上昇ではなく、日本はエネルギーコストの上昇要因が大きく、それ以外の部分には極端に大きな変動は出ていませんから、金利が単純に上がっていくかというと、そうではないのではないかと見ています。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事