2023-03-10

カジュアル衣料品世界1を目指して! ファーストリテイリング・柳井正の「経営はやはり『人』、人への投資を!」

柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長



日本再生に必要なもの



 個々の企業の踏ん張りが日本再生につながっていく。〝失われた30年〟の中で、日本の相対的地位低下は急速に進む。日本のGDP(国内総生産)が世界GDPに占める比率はピーク時(1994)に17%強あったのが、2022年には5%台にまで低下してしまった。

 1人当たりのGDPでは昨年、台湾に抜かれた。生産性をいかに上げていくかという課題を今、日本は背負う。

 日本はなぜ、地位低下を招いたのか? という問いに、長らく産業政策に携わってきた福川伸次・東洋大学総長(元通産事務次官)は、「1980年代のバブル期に日本の経営者に驕りが生じた」と分析。今こそ、「人的投資や研究開発投資を進め、今の空気を変えないといけない」と語る。

 それは、柳井氏の「常に危機感が必要」という考え方と重なる。

「1人ひとりが当事者意識をもってチャレンジしていくことが大事」(柳井氏)ということだ。

 伸びている人材はどういう人か? という問いに、「周囲の人のことを考えて、全体観と長期観、そして自分自身も成長することに情熱を持っている人ですね」と柳井氏。

 経済リーダーには覚悟と使命感、そして社員1人ひとりも志と情熱が求められる時代だということである。

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