2023-03-31

【母の教え】プレコフーズ社長・髙波幸夫さん《一都三県約3万軒の飲食店に生鮮食品を提供》

髙波幸夫・プレコフーズ社長



 父は朝から晩までずっと働いていました。父を見れば、いつも包丁を握っているか、配達している。夕飯後もまた仕事に戻るような生活でしたから、本当によく働いていました。

 母は毎日、従業員を含めた家族全員分の食事をつくってくれました。毎日、大きな鍋で大量の料理を用意していましたから、かなり大変だったのではないかと思います。いとこが結婚して我が家を離れた後も、いとこの子供を預かったりしていましたから、母は本当に世話好きで、面倒見が良かったです。

 幼少期から、母からずっと聞かされてきた言葉があります。それは「商いは飽きない。小さな、小さなお客様でも、そのお客様を大切にして、飽きずにコツコツ仕事を続けていくことが大事だよ」ということでした。

 今のような大型スーパーのある時代ではなく、当時は肉は肉屋、魚は魚屋へ買い物に行った時代です。しかも買い物をしながら世間話も楽しむのが当たり前の時代でした。ですから、母は5分、10分とお客様と店頭で話をしていました。

 しかし、例えば、ササミ一本買うだけのお客様に10分も時間を使っていたら、経営効率的には良くないわけです。それでも、母は一人ひとりのお客様を大切にして、コミュニケーションを重ねていくことによって、お客様の信頼を獲得していきました。これは今も私の経営の原点になっています。

 今後も母の教えを大切にし、商いは飽きないという大事な価値観を受け継ぎながら、より長く、愛される企業を作り上げていきたいと思っています。

続きは本誌で

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