2023-04-30

【徳島市のまちづくり】内藤佐和子市長が語る「性別や国籍に関係なく参加できる『阿波おどり』は市の資産」

内藤佐和子・徳島市長



 ─ 今後の徳島市の活性化策の肝になるわけですね。一方でコロナ禍3年の総括とは。

 内藤 徳島市の場合は、システムがガラパゴス化と言いますか、標準化できていなかった部分もあり、システムのアップデートが難しかったと思います。ですから、給付金の支給も少し遅くなり、市民からお叱りを受けることもありました。これは反省です。

 ただ一方で、市役所の職員が一丸となって前を向いて課題解決に取り組んでいったり、新しい取組を民間企業と一緒になって進めて、コロナを機に新しい暮らし方やスタイルの提案を行ったりしました。今まで市役所の中だけで考えていたものをやめて、外部と連携して物事を進めていこうという契機になったのではないかと思います。

 ─ そのための仕組みづくりはどう進めたのですか。

 内藤 例えばコロナで民間企業が給付金を申請するとき、市役所の窓口だけに相談しに来るのではなく、税理士事務所さんなどとも無料で相談できますといった一覧表を作成して公開しました。市役所にしか窓口がなければ市役所業務が煩雑になってしまうリスクがあったからです。それを避けるためにも、税理士事務所さんや民間企業の力を借りました。

 あとは「コロナ危機突破プロジェクト創造支援事業」です。コロナで停滞していた社会を変えるためのプロジェクトを民間から募集し、市役所が補助金を付けるというものです。この中で移動のサブスクリプションと住宅をセットで提供するといった移住者を呼び込む新しい試みも民間と一緒にやりました。

 ほかにも、コロナ禍でニーズが拡大した弁当の宅配や持ち帰りについても民間事業者によるホームページ作成を後押しし、民間がやっていることをどんどん一緒に情報発信しました。

 ─ 民間企業の知恵を活用するのがポイントだと。

 内藤 はい。これまでも連携協定を結んできたのですが、これをもっと加速して、今では包括連携協定が28を数えます。そのうち私の任期中には19の協定を締結しました。

 また、包括連携協定ではありませんが、NGOの団体と連携して生理用品を継続的に配布する取組も始めました。生理の貧困として一時期マスコミでも大きく取り上げられましたが、中学生や高校生の生理の負担を軽減するため、誰でも使えるように学校のトイレに置くようにしたのです。

 加えて、市役所等でもスマホをかざせば生理用品が出てくる無料配布システムを導入したりしています。これも民間企業と連携して導入しました。市民の皆さんの負担はゼロです。こういった仕組みを民間と一緒になって、どんどん広げていこうと思っています。


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