2023-06-01

《創立100周年の梅村学園》中京大学長・梅村 清英「〝知・体・徳〟の3つの要素を兼ね備えた人材を育成していく」

梅村清英 梅村学園総長・理事長 中京大学長



将来的な総合学園化も検討



 ─ 先日、厚生労働省から2022年の出生数が80万人割れしたことが発表され、関東の女子大学で学生の募集を停止するところも出始めました。人口減少時代に入って大学経営も厳しい時代を迎えているんですが、改めて、大学の役割をどのように考えますか。

 梅村 これは本当に深刻で、この子たちが皆元気で健康に育っても18歳になる2040年には80万人を割っているということですよね。今の18歳人口が112万人くらいなのですが、国の予想以上のスピードで少子化、人口減少が進んでいるわけです。

 ですから、今は大学よりも高校、高校よりも中学、小学校で、どんどん統廃合が進んでいて、全国的に公立の中高一貫校をつくるケースも進んでいます。われわれの本拠地がある愛知県は後発組だったのですが、2025年に4校ができる状況になっています。

 そうなると私学との競争もまた生まれてきますし、子供の数が少なくなっている中で、どのように生き残っていくかというのは重要な問題です。

 ─ 学校も整理淘汰が激しくなっている中で、梅村学園ならではの教育をどう展開していきますか。

 梅村 われわれとしては冒頭に申し上げた建学の精神に則り、学術とスポーツの更なる殿堂をしっかりと築き上げていきたいということ。そして、今は大学と高校の2校体制で学園を運営していますけれど、ゆくゆくは、この名古屋の地での総合学園化を視野に入れていきたい。

 今は高校・大学の7年間の一貫教育を実施していますが、中学校ができれば10年間の一貫教育になります。より長いスパンでの教育ができると思いますので、いろいろなことを視野に入れながら運営にあたっていきたいと考えています。

 ─ その場合もやはり、名古屋が拠点になるわけですね。

 梅村 もちろんです。うちは名古屋で育てられた学園ですし、日本の中でも名古屋というのは自然と都会が融合した雰囲気があって、どこの都市圏よりも教育環境が恵まれている場所だと思うのですね。

 このような地の利を生かしていきたいと思いますし、ここはモノづくりや第一次産業が盛んな地域ですから、そうした面で何らかの貢献ができるような存在でありたい。

 この地域には、日本が生き残っていくために必要な条件が全て揃っていると思いますし、そのポテンシャルは無限に可能性があると思いますので、そういうところに貢献できる人づくりをしていきたいと考えています。

続きは本誌で

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