2023-06-09

【株価はどう動く?】日本株は新たな上昇波動に、米金利、ウクライナ戦争には警戒を

日本株の勢いは本物か?



 3万円を付けるまでの材料は、前述の賃上げ、円安、そして「G7広島サミット」でした。この後、株価を左右する材料の1つが「政治の季節」です。いつ解散総選挙が行われるかというのは1つのポイントになります。

 秋口、あるいは来年の予算編成時にも総選挙が行われるのではないかという、様々な見方がされています。総選挙は株価にはプラスです。解散がなくても、年内に内閣改造は行われるでしょうから、人心一新は株価にプラスです。

 選挙以外に日本の株価を押し上げる材料としては、日本政府による積極財政が挙げられます。今後、景気対策を打って、タイミングのいい時期に解散というのは1つの見方です。

 年末までに、米国の金利、インフレがどうなるかも大きな材料です。年末にかけて金利がピークアウトして、ハイテク企業を中心に再び米国株が上昇すれば、日本の株もカップリングして上昇することになるでしょう。

 この逆で金利、インフレともに高止まりするということもあり得ますが、その場合は、米国株は波乱の展開になります。

 そして年末までにロシア・ウクライナ戦争が激化するのかどうか。あるいはどこかで停戦の動きが出てくるのか。いずれにせよ、株式市場に影響を及ぼします。ただ、激化の場合には日本の株価にとってはプラスに作用します。なぜなら、戦争拡大で世界的なインフレが加速して、日本の脱デフレを促します。さらに、第一次世界大戦時のような特需もあり得るからです。

 停戦となれば、特需で買われていた日本の海運や鉄鋼株は売られるかもしれませんが、ウクライナの復興需要が出てきます。米国の金利動向とロシア・ウクライナ戦争は不確定要因ですが、日本株の基調が強いことは間違いありません。

 今後の日本株は脱デフレ、資産インフレ相場ですから、基本的にバリュー株もグロース株も株価が底上げされます。中でも、過去30年のデフレ不況の中で業績が冴えず、株価が上がらなかった銘柄が見直されます。

 例えば不動産、銀行、運輸・物流、流通、食品関連の株価はすでに上がり始めています。ただ、こうしたバリュー株の底上げは5月いっぱいまでで、その後は再び、グロース株、ハイテク株などに資金が戻っていくことになるでしょう。

 ただし、ハイテクの中でも新興が買われるのは最後で、まずはNTTやソニーグループといった大型株が買われることになります。この間、新興銘柄は売られたり、安値圏にとどまり、上昇してくるのは秋口くらいからだと予想しています。

 安全に投資したい方は、高配当の大型株を買うのが1つです。腕に自信のある方は安値圏になるハイテク株に狙いを付けて買うのも一案です。ニューIPO銘柄にも注目です。3月28日に上場したArent(5254 東証GRT)は公募価格1400円台で、およそ2~3週間後には6400円の高値を付けました。他にもこうした人気銘柄が出てくる可能性はありますが、ボラティリティが激しいですから注意が必要です。

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