2023-07-14

AZ-COM丸和ホールディングス社長・和佐見勝に直撃! これからの物流の経営戦略をどう描くか?

福島県にある道の駅「猪苗代」で行われたBCPの備蓄機能としてクールコンテナを活用する実装デモ



仙台市にBCPギャラリー

 ─ 物流がBCPのあり方を変えるきっかけになります。

 和佐見 そう思います。そこで当社は昨年4月6日、宮城県仙台市に平常時と非常時で機能が変わる「リバーシブルビル」をコンセプトとして開発された「仙台長町未来共創センター」を活用し、センター内に「AZ―COM BCPギャラリー」を作りました。

 このギャラリーでは全国に向けて当社が推進するBCP物流の取り組みを情報発信しています。他にも備蓄に関する資料を展示したり、避難所のスペースを提供したりしています。

 例えば、東日本大震災が発生した3月には、復興や防災について皆で考える機会を設けようということで、仙台市内外の施設で復興や防災の取り組みを発信する企画展「仙台/東北から考える『復興・防災』10DAYS(仙台市主催)」が開催されたのですが、このギャラリーでも様々な取り組みを行いました。

 具体的には、災害時物流のパネル展示を行ったり、BCP物流の講演も行いました。また、備蓄物流倉庫の紹介も行うなど、のべ664人の仙台市民や企業の方々に参加いただきました。当社にとっても、こういった取り組みを通じて、このギャラリーが備蓄モデルセンターとして新規営業獲得にもつながりますし、関東圏の備蓄案件の分散備蓄拠点として東北エリアでの営業提案にもつながっています。

 ─ この施設は避難所としても使えるのですか。

 和佐見 ええ。80人ほど収容できます。布団を敷いて寝るスペースも確保していますからね。ですから、仙台市にとっても当社にとってもウィンウィンの取り組みになるのです。

 仙台市は費用負担はゼロですからね。市役所と連携を取りながら、もし市役所が市民に対して発信したいことがあれば、この施設を使っていただいています。

 ─ さて、物流業界では人手不足が大きな課題です。

 和佐見 はい。当社は2040年3月期売上高1兆円という目標を目指し、積極的に人財の採用を行っています。お陰様で23年4月採用では新卒採用が325人、中途採用が586人と1000人規模の採用ができました。さらに今後5年間で新卒採用3000人、中途採用2000人の計5000人の採用を計画しています。ですから働く人に選ばれ続ける魅力ある企業づくりが必要です。

 私はいま、社員には大きな人間を目指して欲しいと言っています。夢に挑む、夢への挑戦、もっと大きな夢を見ましょうと。夢は追求し続ければ必ず実現できます。だからこそ私は創業50年を経ての第51期のスローガンを「氣宇壮大」にしました。

 あえて「気」でなく「氣」にしたのは、氣はエネルギーを指すからです。気を吐き出すと、新しい気が入ってくる。つまり、人に気を与えれば次から次へと新しい気が入ってくるわけです。私はAZ―COM丸和グループをそういう場にしたいと思っています。(了)

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